熊野滝から水無山南尾根

94 綿向山1110m

水無山985m

文三ハゲを登る(日野町)

綿向山の文三ハゲ(ガレ場)

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日野町の名峰綿向山は、霊仙山と並んで、滋賀県側では格別にハイカー人気の高い山である。中でも水木野登山口から登る表参道は、行楽日和の休日ともなると、ハイカーが引きもきらず、中には運動靴で、地図も磁石も持たない初歩的な人もいて、その様な人が道に迷わない為に、水無山の山頂には「この先行止まりにつき引き返して下さい」という看板を立てている。その水無山南尾根を辿って熊野集落から周回するルートがある。修験道が盛んな時代に開拓された、と言われる熊野には、熊野神社・熊野滝・左マガヤ等の見所があり、熊野から文三ハゲ(ガレ場)の間は林道も通り、水無山南尾根も良い尾根道があって楽に歩ける。

日野と大河原の中程にある蔵王ダムの東で「熊野滝・グリム冒険の森」の看板があるT字路へ入り、平子集落から来る道が合流する、少し手前の空地に車を置いて歩き始める。バス停を過ぎて集落を抜けると、熊野神社前の分岐に出て「熊野滝」の看板を見て林道へ入ると、すぐ先に滝へ行く山道がある。尚神社から車道を少し歩くと「左マキガヤ」があり、寄り道しても時間はかからない。熊野滝へ向かう道は、階段や木橋で整備された遊歩道で、水無谷に沿って緩く登るうちに、滝近くの権現の祠に着く。ザックを置いて滝を見て戻り、更に戻って二つ目の木橋の左から、固定ロープを使って小尾根に取り付き、踏み跡のない尾根を急登し、尾根が拡がった植林下を、北方向に登り詰めて林道に出る。展望の拡がる林道を歩くうちに終点に出て、堰堤の集中する所を右に回り込んで文三ハゲに入る。ガレ場の中央に寄り、雛壇状の鉄柵左からジグザグと登り、左にガレ岩の無い草付きが現れた所で、溝地を登って稜線鞍部に出る。文三ハゲのガレ場は、見た目より岩が細かく楽に歩ける。

登山道を右折して綿向山へ登り、来た道を戻って水無山迄は、よく踏まれた一般登山道を歩く。南峰から南へ降る尾根を帰路にとり、二次林の雰囲気が良い広い尾根道に入る。緩い降りが急降下になり、植林の若木とカヤトが現れた先の、Y字分岐を右にとると、岩塊が尾根を塞いで解りにくい所に出るが、左から回り込んで南西方向の溝状の尾根に入ると、再び明瞭な尾根道になる。やがて右手に堰堤が現れ、谷と並行する様に、薄くなった踏み跡を辿ると、植林下に明瞭な杣道が現れ、すぐに林道の様な広い地道になる。そのまま進むと舗装路の林道に出て、左折して鉄塔を過ぎると車道に出る。すぐ脇が駐車地である。