表参道から竜王山登山道 93 綿向山1110m 竜王山826m 鈴鹿山地西部の名山(日野町) |
ブナ樹林帯を歩く(行者コバ付近)
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鈴鹿山地の県境稜線を離れて、西の孤塁を守るかの如く、両翼に水無山と竜王山を従えて、悠然と立ち聳える山が綿向山である。それだけに山麓の日野町では山との結びつきが深く、信仰や行楽、あるいは青少年の情操の場として、綿向山と共生する姿勢が、山を歩いて良く解る。従って数は少ないが良く整備された登山道があって、標高に因んだ十一月十日の「綿向山の日」には、好天に恵まれると、延々と列をなして山頂へ向かう家族連れの人で溢れる。その基本ルートとなるのが、西明寺口から登る「表参道」で、変化を持たせて、帰路は竜王尾根から竜王山へ降る周回コースも人気が高い。 日野町の北畑口から山手に折れ、バス停(西明寺口)を右折して林間の舗装路へ入る。すぐに道標が現れ、右折して御幸橋を渡った所の広い駐車場から歩き始める。農道を左折すると最近道が整備されて、大堰堤の横から階段道を登って北畑林道に出る。川沿いの林道が終わった所が登山口で、新しい小屋の先で鉄橋を渡ると、植林下の山腹をジグザグに切った表参道になる。曲折で道は長いが、緩い傾斜で歩き易く、1合目毎に山頂迄の距離表示をした道標もある。3合目で林道へ出て少し歩き、5合目で奥の平の道と合流すると、伐採して明るくなった山腹道から尾根に出て、7合目の行者コバに着く。行者堂の先で再び山腹道になるが、植林から見応えのあるブナ樹林に変わり、金明水の分岐を過ぎて笹の切り開きを抜けると、最後に一直線の階段を急登して綿向山に着く。尚行者コバの先から、そのまま尾根通しでも山頂に行けるか、「積雪期専用ルート」のようである。小広い空き地に雄大な展望が開き、神社の祠や青年の塔等、人工物が並ぶ山頂から、帰路は北の稜線に出て竜王山へ向かう。尾根を緩く降り、鞍部から登った所で道標の立つ分岐に出て、左折すると山腹の急降下になる。山腹から明瞭な尾根筋に変わり、二次林の良い道が最初のピークを過ぎると、シャクナゲの群生する細尾根になって再び急降下するが、要所には固定ロープがある。更に幾度か登降して尾根の分岐を超えるが、明瞭な踏み跡と道標があって解り易い。好展望の二つの鉄塔下を過ぎ、一歩きして竜王山に着く。東方に展望の開く山頂から、階段を付けた巡視路へ左折すると、表参道と同様に、二次林下の山腹にジグザグを切った明瞭な踏み跡が続き、植林下に入るとすぐに、「竜王山登山道」の道標が立つ林道に出て、右折して二十分程で駐車場に戻る。
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