奥の畑谷から西尾根周回

90 雨乞岳1238m

二次林の草原を歩く(永源寺町)

奥の畑谷を歩く

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甲津畑から雨乞岳へ登る代表的な登山道は、千草越えと言われる杉峠経由で登るコースと、ツルベ谷から大峠に出て稜線を東へ登るコースが、よく知られ歩かれている。一方、杉峠と大峠の間には、幾つかの変則ルートもあって、本項で取り上げた、奥の畑谷から奥の畑峠に登り、雨乞岳から西尾根を降って千草越え道へ出る周回も、山慣れた人向きであるが、稜線から山頂にかけての展望の良さに加えて、奥の畑谷中流域の集落の一つや二つはあっても不思議ではない程の、広い草原地帯に一見の価値がある、そんな見所の多いコースである。

甲津畑の集落から藤切谷林道へ入り、林道岩ヶ谷線が分岐する少し先で、橋下の河原か広い路肩部に駐車して歩き始める。少し戻って岩ヶ谷線の細い林道に入ると、長い林道が桜地蔵を過ぎるとようやく終点になり、鉄橋を渡った所から山道になる。道が次第に荒れてきて、幾度支流を渡った後、本流を丸太橋で渡って、登山道が左へ折れる所が奥の畑谷の登山口で、直進して山腹から谷を渡って左岸へ出る。谷沿いの古い道を辿ると、谷の周囲が拡がって広い草原が現れるが、谷の分岐の先で右岸へ移ると、更に広大な草原になる。草地の中には栗の木等の二次林が点在し、所々でシダの群生が地表を覆っている。草地が終わって谷幅が狭まると踏み跡も消えるが、下草が無く歩き易い疎林の下を谷沿いに歩く。やがて谷が細くなって枝別れする所で、笹原の稜線が見える方向の小谷へ折れて登り、窯跡に出た所で、右手の低い笹尾根に取り付き、笹を分けて登ると稜線の奥の畑峠に出る。好展望の峠で一息入れ(普通はここで昼食時間になる)稜線を東に登り、深い笹下の踏み跡に注意し南雨乞に出て、再び深い笹の切り開きを分けて雨乞岳に着く。

帰路は西尾根をとり、杉峠に降る登山道へ入った後、山頂の池を過ぎた所で左の笹原に入る。道は無いが歩く人で笹が倒れた踏み分けがあり、尾根を外さないように、右に回り込んで北西方向に進むと、笹が低くなり尾根筋が現れる。西尾根に入ると所々にテープ目印もあり、尾根が拡がったり狭まったりするが解り易い。窯跡と三本杉の平坦地を過ぎ、急降下した後細い尾根の先で、尾根が分岐するコブに出る。ここで北の尾根に入り、急降下するうちに向山鉱山跡と言われる広い平坦な台地に出て、そこを横切ると杉峠からの登山道に出る。左折するとすぐに、大シデと蓮如上人旧跡を過ぎて奥の畑谷の分岐に着き、来た道を戻って山道と林道を歩き継いで駐車地へ戻る。