イブネ北端尾根から三山周回

89 イブネ1167m

クラシ1154m

銚子1150m

鈴鹿の秘境を巡る(永源寺町)

銚子から眺めるイブネ・クラシの台地

-----------------------------------------------------------

雨乞岳から銚子ヶ口方向に延びる長大な尾根中程に「イブネ・クラシ・銚子」の三山が、トライアングル状に立ち並んでいる。鈴鹿山地の何処から歩いても、三山を周回すると長丁場になる、まさに秘境の山々であるが、山頂周辺は、笹の草原から御在所岳方向の雄大な展望が開き、雰囲気の良い二次林も拡がって、山歩きの充実感を堪能出来る山旅になる。今回の紹介コースは、朝明から根の平峠に出て、イブネ北端に接続する尾根から三山を巡り、佐目峠から千草越えの登山道を戻るルートで、長丁場だけに、陽の長い時期の早立ちが条件になる。

朝明駐車場から根の平峠に出て、愛知川へ降る途中の分岐を左折し、上水晶谷の出合迄は幾度も歩いていて、良く踏まれた登山道があって解り易い。谷を渡った少し先で、道標を見て右折すると、平坦な二次林下に薄い踏み跡があって、すぐに愛知川に着く。上水晶谷が出合う少し左で川を渡ると、正面に幅の広い谷があり、右から回り込んで水量の少ない谷へ入る。砕石状の岩が多い谷中を登り、ザレた砂土のV字状に変わる谷床を、登り詰めると小峠に出る。右折して尾根に入り、薄い踏み跡を登るうちに、大岩の集まる岩尾根になり、木の枝や根を掴んで乗り越えると、シャクナゲの群生もあって、歩きにくい尾根が続いた後、足元に低い笹が拡がる二次林下の、広い尾根になってイプネ北端に着く。北端からすぐ先を右折して笹原に降り、北へ歩いて樹林帯に入り、もう一度笹原を高所へ歩くと、尾根筋の樹林に入ってクラシに着く。来た道を戻り、笹原が樹林になる手前で、右へ曲がると笹尾根になり、右手にブナの古木がたつ先で、分岐を左折すると、展望の良い草地の銚子に着く。尚分岐を直進すると、銚子ヶ口へ向かう急降下の尾根になるので注意する。

銚子から南へ山腹を降り、小沢を越えて笹原を高所へ登ると、踏み跡のある稜線に出て、右折するとすぐにイブネに着く。展望の良い笹原に、最近は山名札も付いて山頂らしくなった。南西に踏み跡を辿り、樹林の尾根を降って佐目峠に出て、その先の草地から南へ降って谷筋に入り、谷沿いをテープや薄い踏み跡を探して降るうちに、杉峠からの登山道に出る。左折すると千草越えの道で、明瞭な踏み跡が山腹に続き、愛知川とコクイ谷の出合を渡ると、少し荒れた道を過ぎ、往路で右折した分岐に出て、同じ道を根の平峠から駐車場に戻る。尚地図でサブルートと記した、小峠から愛知川の左岸も歩けるが、山慣れた人向きである。