風越谷林道から水舟の池へ

88 銚子ヶ口1076m

草原の稜線を歩く(永源寺町)

水面に緑陰が映える水舟の池

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愛知川を挟んで、県境稜線と対峙する様に、雨乞岳から永源寺ダム方向に高度感のある稜線が走っている。稜線上には黒尾山や銚子ヶ口、そして菅原が拡がる好展望の大峠や、近くには「水舟の池」があって、鈴鹿山地では指折りの稜線コースと言われている。但し山深いので、最も近い銚子ヶ口経由で一般登山道を歩くと、時間切れになってしまう。それを解決するコース設定として、風越谷林道から銚子ヶ口の一般登山道に出て、帰路は東峰の下から、林道へ直通する造林道を降るルートで周回した。造林道は登山道ではないので「歩かせて頂く」のであるが、このコースなら相当な時間短縮になって、陽の短い時期でも楽に歩ける。八風街道を走り、神崎橋の右から神崎川林道へ入る。キャンプ場や発電所を過ぎ風越谷の橋を渡った先の、風越谷林道分岐脇に駐車して歩き始める。傾斜のきつい簡易舗装の林道に入り、二つ目の

堰堤(高低二段型)上部から河原へ降り沢を二つ渡って正面の尾根に取り付く。尾根はすぐに消えて植林下の林になるが、薄い踏み跡を急登して台地状の平坦地に出て、正面のピークを避けて左から尾根の鞍部へ、伐採材が散乱する山腹を登って一般登山道に出る。左折して東峰に向かうと、よく踏まれた道が続いているが、谷を右から左へ渡り返した付近だけは、踏み跡が薄くなるので、テープに注意して明瞭な踏み跡に出ると、そのまま二次林下を登り詰めて、展望の開く尾根に出る。ここから大峠に向かって、造成された造林道へ入り、山腹を横切ると北峰からの稜線に出る。左折してすぐ右折すると、明るく展望が拡がり、快適な高原状の稜線歩きとなる。ピークを二つ越えて西峰に着き、もう一度ピークを越えて降った鞍部で、萱原が拡がり四周に展望の開く大峠に出る。峠から西北西の雑木林へ降ると、右手の谷に沿った低い尾根になり、切り株に注意して進むと「水舟の池」に着く。緑の樹林を背に、澄んだ水面が風波をたてる、鈴鹿山地有数の広々とした雰囲気の良い池である。

帰路は池の東から小尾根に乗り、西峰南の鞍部に出て来た道を戻り、中峰の分岐から東へ降ると、登山道の明瞭な踏み跡があって三角点と東峰に着く。大展望の拡がる東峰から尾根の肩へ降り、一般登山道を離れて尾根を直進すると、すぐにトロッコレールを敷設した造林道に出る。造林道はレール作業の為に尾根を切り開いたもので、レール脇の尾根道を、ひたすら急傾斜を降ると風越谷林道に出る。解放された気分で、林道を降って駐車地迄一歩きする。