北尾根沿い登山道往復

87銚子ヶ口1076m

一部変則尾根ルート(永源寺町)

東峰山頂下の二次林の山腹を歩く
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県境稜線を離れた滋賀県側には、霊仙山や綿向山等、一般ハイカー向けの登山道を持った山は数える程しかない。その中の一つに銚子ヶ口があって、八風街道最奥の紅葉尾集落から、北尾根沿いによく踏まれた登山道がある。山深い位置にあるので人里から見えず、近くの釈迦ヶ岳から眺めても、見つけるのに苦労する程の目立たない山であるが、東峰の山頂に立つと、鈴鹿主稜の大パノラマが拡がって、山歩きの醍醐味を味わえる名山の一つである。尚コース紹介に当たって、登山口の近い須谷川との周回を試みたが、難易度に差がありすぎて断念した。但し東峰からの帰路は、谷筋へ降らずに尾根通しで分岐点迄戻った。自信の無い時は同じルートの往復でも勿論良い。

神崎橋から少し東の、登山届用の小屋が立ち、二台程の駐車地のある所が登山口で、車が多い時は神崎橋脇や、林道へ入った路肩の空き地から歩くことになる。水路を跨いで山道へ入ると、すぐに広い植林下に出る。道脇には「銚子ヶ口」の看板が、山頂迄の所要時間を記して度々現れるが、時間は殆ど消えている。植林下を抜けると、尾根の東を巻く山腹道になり、不老堂周辺の展望も拡がってくる。歩き易い踏み跡に混じって、崖縁の細道や倒木を跨ぐ所もあるが、一時間程歩くと尾根に出て、谷へ降る分岐を過ぎると、尾根を離れて山腹道になる。(地図で尾根分岐の所)山腹を緩く降ると谷沿いになり、若木の植林下を右から左へ渡り返すと、水流のない源頭の溝地沿いになる。尚谷沿いを抜ける迄の踏み跡が、薄く紛らわしかったが、テープ目印が沢山付いて解り易くなった。谷地から二次林の覆う山腹に出るとすぐに明るい尾根に出て、分岐の作業道に注意して左の笹地を登ると東峰に着く。

御池岳の遠景から雨乞岳迄、大展望の開く山頂から、雑木下の踏み跡を五分程で三角点峰に着き、更に幾つもの峰に踏み跡は続くが(次項参照)来た道を戻って帰路につく。東峰から鞍部に出た所で二次林の山腹へ降らずに、変化を持たせ尾根通しで分岐迄戻ってみる。北方向の尾根に入り、少し歩くとトロッコレールがある。ここで北東の尾根を降るレールを離れ、北西の尾根へ直進する。尾根の踏み跡が消えて、枝を張った植林や灌木の藪を分けるうちに、明瞭な尾根筋になって解り易くなる。手入れのない植林下から小ピークに出ると、東の展望が開き、所々に踏み跡も現れ、尾根を外さない様に降るうちに登山道に出る。谷道と比較すると、歩きにくく時間もかかるが、展望は良いし気分転換になる。