向平尾根から西尾根巡視路

83 水谷岳990m

甲津畑から歩く(永源寺町)

水谷岳(南稜線のガレ上より)

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永源寺ダムの南から雨乞岳方面に向かって、二つの長い尾根が走っている。佐目子谷を挟んで、東の黒尾山から銚子ヶ口に続く尾根と、西の水谷岳からタイジョウへ続く尾根である。その水谷岳へはダム側の佐目から登るルートと別に、南の甲津畑から藤切谷林道経由で歩くルートもある。その中から、向平谷道と西尾根の巡視路を組み合わせたコース設定で歩いた。散策気分で歩ける向平からの二次林下や、歩き易い巡視路と鉄塔下の展望を楽しむ、お勧めのコースである。

甲津畑から藤切谷林道へ入り、林道分岐の先で、橋を渡る手前の河原に駐車して歩き始める。橋を渡って造成中の林道を歩き、終点に出た所が向平谷で、渡渉して岩壁の手前から左岸へ出ると、良い踏み跡がある。上流に向かって高巻き道を辿ると、植林に入って踏み跡が薄くなるが、谷沿いから岩の散乱する二股谷を渡って、谷の間の低い尾根に出る。踏み跡に沿って平坦な二次林の林に移り、ガレた溝地が現れた所から、急登の溝を越えて向平尾根に乗る。ほぼ一直線の尾根も急登が続くが、二次林に松や樅の混じった明るい尾根で歩き易い。やがて尾根が拡がって踏み跡が消えるが、疎林の間を選んで高所へ登り、大岩が密集する所を越えて稜線上のピークに着く。左折すると平坦で遊歩道の様な良い道で、緩くアップダウンしながら水谷岳へ向かう。途中で深いガレの上端に出ると、目指す水谷岳や銚子ヶ口の展望が開き、鞍部から登りに変わると、増えたアセビや潅木を藪分けの後、展望の良い切り開きから尾根を回り込んで水谷岳に着く。

木立を伐採して展望の少し開く山頂から、分岐を右折して西の尾根に入る。尾根の両側は、植林と二次林が交互に入れ替わる感じで、ヤセ尾根もあるが良い踏み跡が続いている。やがて植林下に入り尾根が拡がってくると、迷い易い所に出る。左へ寄ってブッシュに覆われた踏み跡へ入ると、すぐに良い尾根道に変わるが、歩き易い植林下へ入ると間違いで、急な降りになったら、元へ戻るか左の尾根へ移る必要がある。正規の尾根に入るとすぐに、山腹に巻き道が現れ、尾根を離れると展望の良い鉄塔下に着く。戻るようにして尾根のピークに出て、右折して巡視路の尾根を降る。所々に立つ鉄塔番号を目標にして尾根を降ると、やがて巡視路は尾根を離れて山腹のジグザグ道になる。山腹から谷沿いになり、鉄網製の橋を渡るうちに、藤切谷の堰堤前に出て、転石を踏んで谷を渡ると建物のある敷地に出る。敷地の取り付け道路から林道に出ると、駐車地まで一歩きである。