笠松尾根から永源寺尾根

77 日本コバ934m

紅葉荘跡地から周回(永源寺町)

日本コバ遠景(永源寺尾根より)

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鈴鹿山地では指折りの、大きな山域をもった日本コバであるが、その割には一般的なハイキング道は少なく、東麓の藤川谷と政所から登る登山道が、登山地図に記されているだけである。確かに霊仙山や鎌ヶ岳と比較すると、鈴鹿山地の奥地にあって交通機関に恵まれず、アプローチしにくい山であるが、地図読み、ルート読みが伴えば、多くのルートを辿って静かな山旅を楽しめる山である。その様な中から、永源寺ダム近くの笠松尾根から永源寺尾根を経て、駐車地の紅葉荘跡へ周回するコースを歩いた。
八日市方面から八風街道へ入り、永源寺へ渡る橋を過ぎたすぐ先で、分岐を左折して細い相谷集落道に入る。すぐのT字路を左折して愛知川を渡り、川沿いをダム方向に走り、分岐を左へ入るとすぐに、紅葉荘跡の駐車場に着く。脇の石段を降りて谷を渡ると、自然歩道の標識が立ち、階段の付いた良い道が山腹に延びている。谷の上流には「シキロ滝・永禅滝」の二つの滝があり、往復十分で歩けるシキロだけは、コースに組み入れて見学したい。滝から戻って山道へ入り、道標や階段で整備された二次林下を緩く登り、ベンチの先で尾根に出て左折して笠松尾根に入る。尾根上に道は無いが、二次林の拡がる尾根の芯部は藪もなく、まずは快適に歩ける。尾根が拡がる所は踏み跡やテープ目印に注意し、分岐尾根から南東の尾根に出ると、植林に変わって藪漕ぎになるが、右手からの尾根と合流して、平坦部を左に回り込みながら踏み跡を辿ると、日本コバの山頂に着く。南に展望の開く山頂から、北西の尾根に入って帰路につく。切り開きを抜けると良い尾根道になり、暫く平坦な山頂台地が続く。十分程の所で直進しやすい尾根に注意して左の尾根に入ると、緩く降るうちに松尾谷へ降る分岐に出る。谷へ降らずに右折して郡界尾根に入り、植林沿いを幾度か登降しながら、ブナの古木が数本立つ分岐に出て、そこを左折すると永源寺へ降る尾根になる。尾根が変わるとヤセ尾根や藪分けが増えるが、中程には植林を伐採して展望が大きく拡がる場所もある。左手に続く尾根から小ピークを越え、急降下した鞍部から登りになり、左手に広い尾根が現れた所で、左折して紅葉荘へ降る尾根に入る。最初は二次林の拡がる平坦な尾根で、大きなヌタ場があって目印になる。平坦地が終わると山腹が拡がるが、南へ降ると明瞭な尾根の急降下になる。降るうちに窯跡に出て、古い道を右折すると崩壊地に突き当たり、左に折れて降ると林道に出る。右折して公園脇から駐車地に戻る。