南西尾根から宮坂峠

72 天狗堂988m

君ヶ畑往復ルート(永源寺町)

天狗堂(東方の巡視路尾根より)
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御池岳や藤原岳から西方を眺めると、重畳と連なる鈴鹿山地の中程で、一際目立つ富士形の山が天狗堂である。山頂の大岩に立つと、東南方向に大展望が拡がり、とりわけ御池岳を真横から見る景観は、迫力があって見飽きない。その天狗堂の基本ルートが、君ヶ畑の器地祖神社から尾根通しで直登する登山道で、最近は永源寺町によって整備され、道標やテープ目印が多く、踏み跡も明瞭で解り易くなった。紹介するコースは、往路を神社から登り、帰路は稜線分岐から宮坂峠経由で戻った。分岐から宮坂峠の間は地図が頼りになるが、峠からは古い道が君畑の集落へ降っている。
八風街道から御池川沿いの県道を走って君ヶ畑に入り、バス停のある敷地に駐車させて貰って歩き始める。右折して二股道を右にとると、すぐに器地祖神社前に出て、石段を登って古木の立つ鳥居の右手から、道標を確かめて尾根に取り付く。尾根は始めから急登になるが、踏み跡は明瞭で所々に道標もあって解り易い。急登の続く尾根から共同アンテナの立つ稜線分岐に出ると、ようやく平坦な植林下の尾根道になり、鞍部からピークへ出ると、正面に天狗堂が姿を現し、若木の植林越しに西方の展望も開いてくる。藪漕ぎが減って歩き易くなった踏み跡から尾根分岐に出ると、今度は東の展望が開き、尾根端から二次林に入って山腹の急登になる。テープや薄い踏み跡もあるが、途切れた所は北東方向の高所へ登ると、増えてくる大岩を抜けたり巻いたりしながら山頂部に出て、岩を避けながら北へ少し歩くと山頂に着く。
樹林の下から山頂の大岩に登って展望を眺めた後(手摺りが無いので滑落に注意)来た道を戻って帰路につく。踏み跡の薄い所は南西方向に降り、滑り易い急降下に注意して慎重に降るうちに、尾根端に出て踏み跡も明瞭になる。稜線分岐へ戻った所で、帰路はルートを変えて宮坂峠へ降る。共同アンテナの横から往路を分けて少し直進し、平坦な尾根が右へ曲がる所で、左に折れて南西に降る。二次林の広い鞍部から正面の低い尾根に乗って右折すると、雑木や潅木の茂る尾根になるが、足元を選んで尾根を緩く登り、植林下に入った所で左折して鞍部へ降り、再び正面の尾根に乗って右折すると宮坂峠に着く。溝道が左右に通る峠を左折すると、山腹を切った広い古い道が続き、植林下をジグザグと降るうちに君ヶ畑の集落に着く。左折して二分程歩くと神社前に出る距離である。尚宮坂峠の道は部分的に解りにくい箇所があり、自信の無い時は往路を戻れば良い。