土倉尾根から茶屋川を降る

69 土倉岳1049m

ノタノ坂から茨川(永源寺町)

土倉岳(巡視路尾根より)

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君ヶ畑から更に御池林道を走り、小又谷林道の分岐迄アプローチすると、ノタノ坂から巡視路尾根を使って、土倉岳から御池岳・藤原岳、東麓の天狗堂等、鈴鹿北部の秀峰を訪ねる格好の拠点がある。今回のコース設定は、山は土倉岳だけで切り上げ、土倉谷出合から茨川迄の茶屋川下降を組み合わせたもので、快適な尾根上の展望と、錦秋の頃なら格別に風情のある茶屋川歩きは、山歩きの醍醐味を堪能出来るコースである。
八風街道の政所郵便局近くから県道に入り、君ヶ畑から三キロ程走った、小又谷林道の分岐にある駐車地から歩き始める。地道の林道へ入り、茨川の道標がある所から、鉄橋を渡って山道へ入る。小谷沿いの踏み跡を急登して尾根に出た所がノタノ坂で、左折すると巻き道で整備された巡視路が尾根上にあって、展望の良い二つの鉄塔下から、送電線を離れてジグザグと尾根下を巻き、尾根に戻るとすぐにT字分岐に出て、土倉岳へ向かう尾根になる。左折して二次林の尾根を緩く登るうちに、尾根が拡がって枯れた笹が現れ、薄い踏み跡を左に寄って歩くと三角点に着く。山頂の展望は無いが、少し戻って御池岳へ登る踏み跡へ入るとすぐに、樹木が途切れた鞍部で、御池岳を真下から見上げる好展望地がある。
来た道を戻り、T字分岐を直進すると再び巡視路になる。ヘリポート跡地のある鉄塔から、鉄塔標示に沿って山腹を降り、更に二つの鉄塔から尾根を降って、茶屋川支流の土倉谷出合に着く。ここから茨川迄は茶屋川の下降で、往路の尾根とは様変わりに、谷幅の広い河原を、岩を踏んだり砂利床を選びながら、細い流れを渡り返す歩きになる。土倉谷を右折するとすぐに、白い岩の散乱する本流に出て、崩壊した谷が岩で埋まった所を過ぎると、すぐに三筋滝の上に着く。上から覗かない様に注意して、右岸に寄ると踏み跡があり、かなりの高度があるが固定ロープを頼って慎重に滝下へ降ると、再び歩き易い河原になる。蛇谷を過ぎた辺りから、谷幅も広くなるが、水流も幅広になる。左岸に巻き道もあるが、多少は渡り返しに靴が濡れても、河原を歩く方が時間も早いし歩き易い。茶屋川に出て一時間半程で鳥居の立つ茨川(廃村)に着く。小屋の建つ対岸に付けたノタノ坂の道標を見て山道へ入り、小谷沿いから谷を渡り(君ヶ畑の道標)山腹の古い道から尾根に出た後、再び山腹の古い道になって、ノタノ坂に出て駐車地に戻ったが、最後の山腹道が危険を感じる程の崖淵の細い道で、多少遠回りになるが、尾根通しで戻ることをお勧めしたい。