リョウシ尾根からコザト南尾根

61 コザト829m

リョウシ722m

霊仙山の展望台(多賀町)

コザト(リョウシの尾根より)
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霊仙山から派生する尾根の中で、南へ延びる県境稜線と並行して、東の藪谷を挟んだソノドの尾根と、西の白谷を挟んだコザトの尾根が通っている。ソノドの尾根は時山の人里に近く、ハイカーもよく歩いているが、コザトの尾根は、霊仙山に隠れた秘境的な存在で、歩く人は少ない。しかし、霊仙山南の笹峠付近から見るコザトは、迫力のある山容の山で、それにコザトに接続するリョウシと呼ばれる山塊には、霊仙山の大展望が開く景勝地もあって、見所のある周回コースも仕立てられる。但し秘境と言われるだけあって、ルート読みや緊張する踏み跡があり「山慣れた人向き」という条件が付くのはやむを得ない。
横根山と同じアプローチで権現谷林道へ入り、五僧峠の分岐から更に一キロ程北の、白谷林道分岐付近に車を置いて歩き始める。谷沿いの林道を北へ十分程歩き「山火事注意」の丸い看板を付けたカープミラー脇から、赤テープと古い道型のある山腹へ入る。ジグザグとした踏み跡を確かめながら、急登して尾根に出るが、滑り易い急斜面と浮石が多く、落石に注意してゆっくり登るので、距離の割に時間はかかる。尾根に出ると斜面は緩むが、今度は岩を敷き詰めた様な岩尾根か続いて、これまた歩行に時間がかかる。それでも岩を巻いたり乗り越したりしてピークのリョウシに着き、左折して岩尾根の突端に出ると、霊仙山から鍋尻山の大展望が拡がる展望台があり、ここだけは見逃さずに立ち寄りたい。ピークに戻って左折し、低い尾根を右から巻いて台地状に出た所で、縁に沿って右へ回り込み、東南東の方位を確かめて植林下へ入ると、明瞭な尾根になる。岩も減って歩き易くなり、尾根が左へ曲がるとすぐに平坦な二次林下となって、植林と二次林の境の高所でコザトに着く。
木立で展望のない山頂から、東の白谷林道へ降る尾根筋を選んで帰路につく。山頂から少し戻り、大岩のある所で往路と離れ、左手の低い尾根端に沿って山腹を降る。少し降ると尾根が左へ曲がる所で、そのまま直進して尾根を離れ易いが、尾根を外れない様に注意して左へ曲がり、暫く尾根沿いのブッシュを藪漕ぎすると、展望の良い岩塊の上に出て、その先からヤセた岩尾根もあるが、解り易い尾根道になる。やがて尾根が拡がって植林下に入り、南西に山腹を降ると林道が見えて来る。但し林道の接続面は切削した岩壁が多いので、降りれそうな切れ目を探して林道に出る。舗装路の林道を三十分程歩いて駐車地に戻る。