谷山谷からビン坂峠を戻る

58 霊仙山1084m

榑ヶ畑道を周回して(米原町)

谷山谷の見所「漆ヶ滝」の遠景
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霊仙山の登山道には、柏原道や榑ヶ畑道と並んで、クラシックルートの一つに谷山谷道がある。谷山谷はしっかりした巻き道が少ない反面、谷中の遡行もなく、渡渉を繰り返す歩きに終始するが、道脇には由緒ありげな坂の名前や、見所の案内札が次から次へと現れて、知らぬ間に柏原道へ出てしまう、そんな楽しいコースでもある。但し本項では、変化を持たせて、榑ヶ畑道から周回するコースを歩いたが、その場合は下山口から養鱒場経由で戻るのは大変なので、ビン坂峠を経て駐車地へ戻るルートをとった。
醒ヶ井駅から養鱒場へ向かい、上丹生の集落口で登山道の標識を見て、左折して細い川沿い道へ入り、家が途切れた先の、浄水場の分岐近くに車を置いて歩き始める。谷沿いの林道を歩くうちに、派手な案内板の立つ登山口に着く。対岸に聳える屏風岩を眺めながら荒れた地道を歩き、河原に出た所から山道になる。岩の散乱する伏流の谷へ出ると、踏み跡が両岸に細切れに続いていて、渡渉を繰り返しながらの遡行になる。踏み跡の周辺には木片に記した「丸山岩・囃ヶ坂・こうもり岩」等の案内板が現れ、立ち止まって読むのに忙しい。横道コースの標示がある分岐を過ぎると、谷の高巻き道に出た後、再び谷へ戻るとすぐに、漆ヶ滝の見える滝見台に出る。滝下へ行く道もあるが、少し離れた滝見台から、風情のある滝の遠景を眺めた後、山腹の巻き道から再び谷へ降り、二股に出て右折すると、「最大の難所」の看板通りに、岩ガレ上の急登になる。一汗かいて岩場を越えると、一変して歩き易い山土の溝道になり、二次林下を登って柏原道に出る。「四丁横崖」の看板がある空地から、樹林の中の笹道になり、登るうちに樹木が途絶えて、広大な展望の拡がる笹の切り開き道になる。倒壊したままの避難小屋を過ぎ、石灰岩の散乱する山腹を登りきって経塚山に着く。時間があれば霊仙山を往復した後、経塚山から榑ヶ畑道を帰路にとって西の踏み跡へ入る。笹の切り開き道がお猿岩の先で終わると、固定ロープを掴む急降下になるが、すぐに安定した尾根道になり、汗拭き峠から溝道を降って登山口に出る。宗谷川沿いの林道を三十分程降り、二つ目のカーブミラーのすぐ先から、黄色テープを確かめて山道に入る。谷地に沿って良い踏み跡が続き、峠に出て左から右へ回り込むと、山腹を登ってビン坂峠に着く。尾根を切り開いた峠から、古い道を降って谷へ出ると、更に広い道が続き、堰堤の先で橋を渡るとすぐに集落に入る。神社の横の上出橋を渡ると、駐車地迄僅かである。