霊仙山の北の登山道は、山東町の柏原道と、米原町の醒ヶ井から、谷山谷と槫ヶ畑の二つのルートがよく知られている。前項の柏原道と同様に、醒ヶ井と霊仙山の間にも広い山城があって、低山ながら幾つかの山がある。本項で歩いた醒ヶ井近くの枝折から、醒ヶ井・梓山(共に三角点峰)と小屋山を巡る周回は、霊仙山が深い雪に覆われる時期でも楽に歩けるので、冬の日だまりハイクに好適である。尾根の交差部でルート読みを要する箇所もあるが、一部は巡視路で、概ね良い尾根道が続いている。
醒ヶ井駅前で南に折れ、名神高速道路を潜った先の、橋を渡った所で左折する。狭い枝折を避けて集落の手前で林道に入り、T字路に出た脇の空き地に駐車して歩き始める。林道を少し戻ると、右手にロープを張った広い山道があり(この付近にも路肩に数台駐車可能)入るとすぐに火の用心の看板に出て、山腹に折れて鉄塔に着く。更に高所へ登って尾根に出て左折すると、峠状の鞍部から地形図に破線のある尾根筋になる。ジグザグに切った巡視路の溝道から、火の用心が立つ分岐に出て、山腹道になるとすぐに鉄塔下に着く。鉄塔のすぐ北に三角点(醒ヶ井)が伐採材の脇にあり、笹の切り開きから西方の展望が開いている。醒ヶ井から先の尾根も巡視路で、整備された歩き易い道が尾根下の巻き道になって続いている。火の用心の看板が出て、分岐から尾根上に巡視路が移るが、そのまま巻き道を進み、送電線の下を過ぎて尾根上に出ると急に道が悪くなる。やがて植林下になって急登し、ピークで左に折れて、平坦な広い尾根を突き当たりへ出た所で三角点のある梓山に着く。
植林下で展望のない山頂からピークへ戻り、南西へ藪を分けて降ると尾根に出る。次第に藪と倒木が増え、踏み跡も薄くなって解りにくくなる。笹の切り開きに沿って進み、左へ曲がる尾根に注意して入り、その先で尾根分岐を右にとる。の茂る所を左の谷地へ回り込み、尾根に戻ると急登になる。石灰岩の多いピークに出て、再び南西に降ると、明瞭な尾根になり、植林下を急登しながら高所へ登りきると小屋山に着く。植林が育って展望の薄い山頂から尾根の分岐へ戻り、帰路は南西の尾根へ降る。分岐は立木に「西町」の赤文字が目印で、この尾根に無事に乗ると、すぐに杣道に出て、後は明瞭な溝道をジグザグと降るだけで良い。伐採材が溝を埋める所は溝の脇を歩き、降るうちに小屋が現れ、すぐ下で古い集落道に出る。橋を渡って左折すると目の前が駐車地である。