加太向井から福徳へ縦走

54 錫杖ヶ岳676m

小雀の頭574m

南鈴鹿展望の名山(関町)

錫杖ヶ岳(錫杖湖より)
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鈴鹿山地の南端は、三重県の亀山市と伊賀町を結ぶ名阪国道迄とされている。従って名阪国道南の錫杖ヶ岳は、鈴鹿山地を離れた布引山地の山で、本書では特別参加である。但し交通機関の最寄駅が関町の加太駅と関駅で、鈴鹿山地と同じ条件でアプローチ出来ることと、南鈴鹿の山並みが一望出来る山であること等に加えて、東海近畿の双方で人気の高い、三重県を代表する名山で、特別参加に充分値する山である。そこで今回は、数ある登山道の中から、加太駅から歩ける加太向井ルートと、関駅から歩ける福徳ルートの縦走を車利用で歩いた。尚小雀の頭は尾根途中の三角点峰である。
名阪国道関インターの北口に接続して、福徳の標示がある一般道に入る。名阪沿いを西へ走り、団地を過ぎた先で、福徳へ入るT字路に出る。この付近に車を置いて先へ進み、久我インターから名阪国道に入り、次の向井インターで降りて、加太駅から来る道へ左折すると、細い林道になってすぐに駐車地に着く。道標の立つ登山口から山道へ入ると、良い道が植林下に続き、谷を離れて山腹を急登すると柚の木峠に出る。南に展望が開きベンチもある峠から、左折すると尾根道で、急登で息が切れるが、明瞭な踏み跡が付いて解り易い。山頂に近づくと岩尾根になり、固定ロープや鎖を使って岩峰を乗り越えると、錫杖ヶ岳の山頂下に着く。大岩の集中する頂上に登り、四周に開く大展望を眺めた後、戻った分岐を左へ降ると、広い休憩小屋もある。
小屋の東から、山頂下の階段道を帰路にとり、小雀の頭に向かう。山腹を緩く降ると、尾根道になって明瞭な登山道が続いている。芸濃町(錫杖湖)側に降る分岐を二つ過ぎると、ヤセた岩尾根になり、笹藪も増えて歩きにくくなるが、小ピークを登降しながら、振り返ると、降りてきた錫杖ヶ岳の展望が開き、尾根を辿って小雀の頭に着く。広い草地に三角点を埋めてあるが展望は優れない。
小雀の頭から北の尾根に入ると、最初は藪が茂るヤセ尾根が、すぐに安定した良い道に変わり、「錫杖ヶ岳」の木札を付けた尾根の分岐で、右折して降ると小さな谷に着く。谷沿いに良い踏み跡があり、幾度か渡渉して林道に出る。地道の林道から簡易舗装の広い林道に出て、堰堤を過ぎた先で、高い石段のある寺(薬師寺)から福徳集落に入る。集落の舗装路を道なりに歩き、名阪国道を潜るとすぐに、置き車のあるT字路に着く。車のない時は、関駅迄かなりの歩きになるが、車で登山口迄は十分程である。