油日岳南尾根から不動谷

50 油日岳696m

三国岳700m

森林公園から歩く(伊賀町)

三国岳(県境稜線より)

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油日岳の南麓一帯が、森林公園として最近大々的に整備された。案内板によると「北打山生活環境保全林整備事業」という長い名称の事業で、三重県が事業主・伊賀町が管理者になって、遊歩道・休憩所・植樹・駐車場・道路舗装等を造成したもので、隣接する東海自然歩道と相まって、南鈴鹿の山域では、一段とハイキング人気の高まりを感じさせる一画になってきた。油日岳と三国岳は、東海自然歩道からゾロ峠へ出るルートと、油日岳から三馬渓へ降るルートがよく歩かれているが、今回は新設の遊歩道から県境尾根に登り、不鳥越峠から不動谷を降る周回を歩いた。尚稜線上のピークには、「加茂岳・忍者岳」の山名が、公園の案内板に記されているので用いた。
余野公園から舗装された林道を奥へ走り、東海自然歩道の分岐にある駐車場から歩き始める。造成した水路を渡って階段の付いた遊歩道へ入り、油日岳の道標に沿って進むと、一度戻る様に回り込んだ後、植樹したばかりの公園道から支尾根の山道へ入る。尾根の古い道を急登して、県境尾根に出ると平坦で歩き易くなる。高度が上がるとヤセ尾根や岩尾根も混じってくるが、踏み跡は明瞭で、三馬渓へ降る分岐を過ぎるとすぐに、岳大明神の祠が建つ油日岳に着く。
南西の展望が開く油日岳山頂から、三国岳迄の間は県境稜線になるが、油日林道へ降る分岐を過ぎると、道が急に荒れてきて、崩壊地や倒木が繰り返し現れ、キレット脇の通過もあって、足元の注意が怠れない。尚稜線上には加茂岳と忍者岳の二つのピークがあるが、いずれも稜線から少し離れた位置にあるので、気が付かずに通りやすい。忍者岳から先へ出ると、急降下となった鞍部から、今度は木の根を掴んで登る岩肌の急登になり、山頂部に出て左折する県境路を離れ、直進した所で三国岳の山頂となる。
展望のない山頂を直進し、尾根を塞いでいる岩塊の間を急降下すると、明るいザレ地の不鳥越峠に出る。ゾロ峠に降る尾根を離れて谷地へ右折し、笹に覆われた薄い切り開きから不動谷へ入る。笹地を抜けると、山腹に細いが明瞭な踏み跡があり、すぐに二股の木のない溝地に着く。谷の左右に良い巻き道があり、渡渉以外は沢中の歩きはなく、ナメ滝(不動滝)の上で左へ移って高巻きし、大岩の並ぶ所で再び右へ移ると、後はそのまま谷沿い道を歩いて林道に出る。三馬渓の道と合流する林道終点には、東家や案内板があり、植樹した樹木の名札等を読みながら、林道を歩いて駐車場に戻る。