宮の谷林道からカワヨゲ谷林道

45 高畑山773m

溝干山770m

土山町の集落から1(土山町)

溝干山(東の県境稜線より)
-----------------------------------------------------------

展望の良い山は数多いが、山頂の一点から四周に景観の拡がる山はごく僅かで、高室山・水晶岳等と並んで、南鈴鹿の高畑山も、その様な貴重な山の一つである。その高畑山へは、鈴鹿峠から県境稜線を辿るコースが、よく歩かれているが、側面の尾根筋や谷筋からは、歩いたという話をあまり聞かない。しかし地形図を見ると、稜線続きの溝干山を含めて、北の土山町側は集落が近いので、古い道を探索しながら、側面から歩くルートを二つ取り上げてみた。その一つが本項で紹介する、宮の谷林道とカワヨゲ谷林道の周回コースである。但しこの場合、登山口と下山口の距離が大きいので、下山口へ置き車出来ることが条件になる。鈴鹿トンネルを出て西へ少し走ると、現在は廃業中の山賊茶屋の建物と駐車場が出てくる。その東に隣接する舗装路に入り、すぐの分岐を直進し、次の分岐を右折した所の、熊野神社の広い空き地に駐車して歩き始める。左奥の地道が宮の谷林道で、谷沿いを暫く歩くと終点になる。その先から山道に変わり、堰堤を過ぎて二股の谷を渡り、谷の間から尾根道に登る。急登するとすぐに平坦になり、踏み跡も明瞭で総じて歩き易いが、途中の岩場や崩壊箇所、それに尾根を移る所の山腹は、踏み跡が薄くなるので注意して高所へ登るうちに、右手からくる主尾根に合流し、山腹を巻いて山頂北のピークに出る。イヌツゲの群生する笹地から、南にドーム状の山容を見せる高畑山に向かって、南へ少し降った後、山腹の笹と灌木の間の切り開きを登り、四周に展望の開く山頂に着く。
高畑山から溝干山に向かって県境稜線に入る。笹と灌木の間のよく踏まれた縦走路を、アップダウンしながら溝干山の北峰に着き、石柱の立つ所から長石山の尾根に降る。樹木を縫う様にヤセ尾根を降り、長石山手前の鞍部に降った後、右折して谷地に沿った山腹を少し歩き、雑木で塞がれた小尾根の前で、水流のない谷へ降る。涸れ沢の岩を踏んで降るうちに、堰堤の前に出て行く手を阻まれる。やむなく左手の尾根の、石垣を積んだ所から巻き上がり、堰堤の先に出てから谷を渡り、正面の土手を越えて地道の林道に出る。この付近の谷は、細かく谷名が付いているので、下流の谷名からカワヨゲ谷林道と記したが、降るうちに小屋の建つ広場に出て別の林道と合流すると、すぐに唐戸川林道に出る。分岐に立つ絵地図の看板が目印で、登山口から猪鼻交差点の先の、鹿深の里の看板が立つT字路を左折して約八キロの距離である。