関宿や坂下宿等、東海道五十三次で知られる関町は、鈴鹿峠に接続する山間の町だけに、歩いて面白い山が多く、それに東海自然歩道や観音山歩道もあって、家族連れのハイキングにも事欠かない。その中から取り上げたのが、筆捨山・花の木・羽黒山の三山周回で、花の木の大展望や羽黒山の岩尾根歩き等、見所の多痛快なコースである。但し解り易いのは観音山歩道だけで、それ以外のルートは、低山と言えど相当に解りにくいので要注意である。また健脚向きには、隣接する観音山と富士を加えた五山周回も充分可能である。
関駅から少し西の、国道分岐で関ロッジ側へ折れ、公園道路に入って二つ目の分岐を左折し、少し先の空き地に駐車して歩き始める。尚車が複数ある時は、下山口に近い正法寺山荘跡に置き車すると、車道歩きが省略出来て便利である。自然歩道の標柱が立ち、階段の付いた観音山歩道が登山口で、急登して展望台に出ると、後は尾根通しに良い道が続いていて、登降しながら筆捨山に着く。
展望のない狭い山頂から、先へ出て急階段を降ると、すぐに手摺を両側に立てた岩尾根になり、正面に岩塊が現れ、道が左へ曲がる所で、右手の山腹から谷地へ降る。藪を抜けると植林下になり、溝地の左沿いに降ると、小谷の前に出て谷を越えると谷沿いに古い道が通っている。左折して小沢を二回渡った所で、テープ目印を見て植林の山道へ入る。道が小谷沿いになり、谷の分岐でその間の尾根に乗り、すぐに山腹を降りて左の尾根に移るのが要点で、そのまま登ると花の木(三角点)に着く。南へ尾根を伝い、岩塊を左右から巻いて上に出た所が最高点で、左右の大岩に立つと、南鈴鹿を一望する大展望が拡がっている。
大岩のすぐ裏から尾根へ入り、岩のある鞍部で左折して山腹へ降る。植林下の谷地を薄い踏み跡沿いに降ると、小谷沿いの道に出て、谷を渡って左の山腹に付いた踏み跡を登ると、往路で歩いた遊歩道に出る。左折して登ると羽黒山へ向かう分岐迄僅かである。分岐を左折し、直進する尾根を離れて右折すると、すぐに大岩の連続する岩尾根になる。固定ロープで乗り越えたり、洞窟状の岩の間を潜り抜ける所もあるが、他は岩の左右に巻き道が付き、ほぼ一本道で山頂下のザレ地から上に出ると羽黒山に着く。山頂から東の踏み跡へ入って尾根を降る。時間があれば途中の展望岩に立ち寄り、植林下に降ると、羽黒神社の広い参道から鳥居を潜って林道に出る。左折して林道を少し歩くと正法寺山荘跡に着く。