[2]宮妻新道~奥の谷(周回)

37 入道ヶ岳 906m(鈴鹿市)

変化に富む宮妻からの周回コース

坊主頭の入道ヶ岳山頂
歩行時間  4:20  
総時間  6:00  
山行調査日 12/1/14
難易 B  安全  B  体力  B  展望  A
地形図  伊船
問合先  四日市市役所
留意点  磐座尾根は岩尾根多く険しいが宮妻新道と奧の
      谷は快適に歩ける。
入道ヶ岳の北麓は、北に対峙する雲母峰や鎌ヶ岳と共に、山裾を穿つ源流を集めて、風光明眉な峡谷[宮妻峡]を形成している。夏期にはキャンプや川遊びで賑いを見せ、鎌ヶ岳や入道ヶ岳へのハイキングコースも拓かれている。入道ヶ岳の登山道は『宮妻新道』と呼ばれ、キャンプ場の駐車場脇から急登して尾根に乗り、北の頭に出るルートで、よく踏まれた解り易い道が続いている。帰路は来た道を戻っても良いが、変化を持たせるなら、イワクラ尾根を降り、奥の谷から林道経由で戻るコースがお勧めである。
鎌ヶ岳や水沢岳と同じアプローチをとり、宮妻峡キャンプ場の駐車場に車を置いて歩き始める。道沿い駐車場の先から左手の舗装路を降り、小屋を過ぎたすぐ右手で『入道ヶ岳登山道』の道標を見て、転石を踏んで沢を渡る。沢沿いを直進してもう一度沢を渡り、沢縁を西に進むと前方に大きな堰堤が現われ、その下のケルンを積んだ脇から左折して山道へ入る。山腹に付いた岩屑の多い急登道をジグザグと登るうちに、椿等の常緑樹が茂る尾根道になり、歩き易い広い道になる。高度が上り、周囲に笹とアセビが増え、ヤセ尾根を通過して再びアセビの樹林帯へ入ってそこを抜けると、樹林が減って明るい笹原になり、振り返ると鎌ヶ岳周辺の山塊が大きく立ち塞がっている。開放的で気分は良いが、かなり急登の笹分け道を辿るうちに、宮妻林道へ降る分岐に出て、左折して一登りで北の頭に着く。ここは入道ヶ岳山頂部にある三つの峰の一つで、鎌ヶ岳と御在所岳を正面に見据えて、屏風を立てた様な迫力のある景観が拡がっている。北の頭から南へ、良く踏まれた笹アセビの樹林下を数分歩き、笹原に鳥居と来る度に増える山名標識の立つ山頂(三角点)に出た後、笹原を西に降り、分岐を右折して北に回り込んで登ると、奥宮(椿大神社の山宮)に着く。
展望は優れないが、日溜りで休憩に良い奥宮前で一息入れた後、北に向かってイワクラ尾根を帰路にとる。平坦な樹林の下を抜けると、両端が切れ落ちたヤセ尾根の急降下となり、岩屑やガレに接した岩尾根を、木の枝や根を頼りに慎重に降るうちに、松の木谷源頭の鞍部に着き、岩峰を左から乗り越えると登りになる。やがて尾根上に溝道や枝道が現われるが(先で合流する)テープの付いた歩き易い道をとるうちに、岩屑が消えて砂ザレの良い道になる。途中には『重ね岩』『仏岩』と呼ばれ、巨岩を並べ重ねた岩塊や、三角錐形の岩が道脇にある。岩の周辺は鎌ヶ岳や雲母峰の好展望が拡がるが足元には十分注意する。仏岩か少し降って鞍部に出た所が道標の立つ分岐で、右折して奥の谷へ降る。尚尾根を直進すると県境稜線に出て、右をとって水沢峠から林道に戻ることも可能である(水沢岳参照)
両側が山腹に挟まれた窪地を、テープを目印に降るうちに、水流のない源流が現われ、左岸に沿った踏み跡に岩が増えてくると、谷は細い流れの沢になる。幾度か支流や本流を渡渉しながら沢沿いを降り、山道に入って沢を少し遠巻きした後、沢に戻って造成間もない堰堤を、左から越えて広い河原に出ると、その先が林道である。左折して少し歩いて水沢峠の登山口を過ぎ、後は駐車場迄40分程の林道歩きとなる。アセビの開花期や紅葉の時期は、格別好雰囲気のコースである。