3」カズラ谷道~鎌尾根(周回)

31 鎌ヶ岳 1161m(四日市市)

宮妻峡から登る名コース二つ

鎌尾根を歩く
歩行時間  6:20  
総時間  8:00  
山行調査日 11/8/9
難易 C  安全  D  体力  D  展望  A
地形図  伊船
問合先  菰野町役場
留意点  長丁場で体力勝負。山慣れた人と同行したい。鎌
      尾根は好展望続く
鎌ヶ岳が最もアルペン的な風貌を見せるのは、端正な富士形と、山頂部が白くガレて迫力のある景観を見せる南西からの位置である。それを実証してくれるのが、岳峠から水沢岳に至る鎌尾根道で、宮妻峡からカズラ谷道を往路(復路)にとっての周回は、長丁場の歩きとなるが、踏み跡が明瞭のうえに、展望の良さで十分報われるコースである。片道にとるカズラ谷道は、鎌ヶ岳登山道では最も歩き易いとされる基本ルートなので、カズラ谷道だけの往復コースも利用度が高い。
国道306号から宮妻峡の標識を見て山手に折れ、宮妻峡キャンプ場から少し先の『鎌ヶ岳登山道入口』の道標脇(広い空地)から歩き始める。林道から右に入った所がカズラ谷道で、鎌ヶ岳から帰路を鎌尾根にとって水沢岳に出て、駐車地に戻る周回コースのスタートである。
山道へ入ってすぐに沢を渡り、3度目の渡渉で分岐するカズラ谷の中間に出て、岩の淵を登るとすぐに尾根道となる。良く踏まれた道は、降水時の流水と相まって、深く掘れた溝道となって登っている。道を跨ぐ様に流れて谷へガレ状に落ちる水場を過ぎると、木の根を掴む急登や、倒木が道を塞ぐ崩壊地を越えて雲母峰分岐のある稜線に出る。分岐を左折すると笹が深くなり、右の谷間にはブナの目立つ二次林が拡がり、左手には鎌尾根の先で盛り上った水沢岳の山塊が見えてくる。相変らずよく掘れた溝道を登るうちに岳峠に着き、深い笹道を降ると、鎌ヶ岳直下の、山頂迄石垣状に岩の積重なった岩壁の前に出る。『岩塊が落ちてこないか』という不安を一瞬感じながら、岩の下で一息入れた後、ペンキマークの矢印に沿って岩の間を乗越えて山頂に着く。
晴れた日なら、四周に拡がる大展望を楽しんだ後、来た道を戻って岩壁前に降り、その先の分岐から鎌尾根に向う。笹道を登り鎌ヶ岳の岩肌が間近に迫る岩頭に出た後、岩壁の競り立つキレットに降り、鎖を握って細い足場を慎重に横切る(蟹の横道と言う難所)その先から尾根上に続く道は笹と潅木に囲まれて良く踏まれた道と、ガレ場や岩頭の小ピークが連続して交互に現われ、アップダウンの繰り返しとなる。但しガレ場には脆くて滑り易い砂ザレも多いので、展望に気を取られない様に要注意である。鎌尾根は中程で南西から南東へ折れるが、その手前に『衝立岩』と呼ばれる岩壁がある。特に鎌ヶ岳へ向って歩く時は、強烈な迫力で眼の前に聳え立つが、くびれた岩の間を鎖で慎重に降り、登り返してT字路分岐に着く。右折すると大河原へ降る尾根筋のある所で、左折して水沢岳に向うと、急に穏やかな平坦路になり低い笹と樹林下の快適な道になる。尾根の拡がるピーク付近も踏み跡は明瞭で、左手に入道ヶ岳辺りの展望を見て歩くうちに、笹原と樹林がきれて山頂へ一直線に向うガレ場の前に出る。ガレの中には『茸岩』と呼ばれる岩が点在している。以前は名の通りの茸形だったらしいが、今では丸みのある岩ばかりである。ザレて崩れ易い岩の間にも踏み跡が登っているが、危険なので右へ回り込んで少し降り、潅木とザレ地の境を木の枝を掴んでガレの上に出て、もう一度笹道を急登して平地に出ると、笹を小さく切開いた水沢岳に着く。この後山頂から南の水沢峠に降り、谷沿いの山道から林道に出て駐車地に戻る。(水沢岳参照)