[3]本谷(遡行) <往路のみ> 27 御在所岳209m(菰野町) 初級的岩登りコース |
本谷の背後に柱状の岩肌が迫る
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歩行時間 2:30
総時間 3:00 山行調査日 1/11/24 難易 C 安全 C 体力 C 展望 D 地形図 御在所山 問合先 菰野町役場 留意点 岩登りの訓練コース。帰路は紹介に漏れたが『一 の谷新道』が便利 |
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遊歩道の様に整備された登山道だけを歩いて、山を登頂するのも一種の登山である。しかし本書では『登山』とか『登山家』と言う表現は一切使わず『山歩き・ハイキング・ハイカー』で通している。つまり『登山や登山家』には、岩登り・沢登り・ザイルワーク等の、登攀技術を伴う分野のイメージが強く、徒歩で山を登るだけの、ハイキングと混同すべきでないと思うからである。しかしハイキングにも、多様なコースの中には、部分的に鎖場や固定ロープの箇所はあるし、岩をホールドしたり、木の根を掴んで岩場や崖を乗り越える所も少なくないので、初歩的であっても岩登りの経験や慣れは必要である。その点で御在所岳の本谷は、谷の遡行とは名ばかりで、岩に埋もれた谷中を、転石伝いや大岩や小滝を乗り越しながら遡行する初歩的岩登りの手頃なコースである。登山口迄は前の中道コースと同じアプローチをとり、車道から山道へ入った所で、橋を左へ渡って『御在所山の家』に向い、家の前を右折して石段を奥へ抜けると、道が右へ回り込んで堰堤の上に出る。岩を敷き詰めた谷へ降って遡行を始めるが、通常時の水量はさほど多くなく、何処でも歩けるが、沢砂の露出する踏み跡がないので、歩き易い転石を選ぶのが、時間のかかり方・疲れの度合い・危険回避等、歩き方の善し悪しになる。(経験のない人は、慣れた人と歩くことを御薦めしたい)沢の転石上を歩き始めると、左右から本流と似た様な、岩の多い支沢が入り込んでくるので、谷幅の広い本流を外さない様に注意する。やがて沢床がナメ状になってくると、小滝が連続して現われ、滝を左右に避けながら登るうちに、左右からガレた沢が入り込み、大岩を越えた所で、頭上に岩を乗せた薄暗い感じの、不動滝が現われる。滝下で一息入れた後、滝から離れた左手の岩壁の端から、細い踏み跡の高巻き道へ入り、木の根や枝を掴んで慎重に急登した後、滝の上部に出て再び谷へ降る。その先でも左右からガレた沢が合流するが、幅の広い本流を間違えずに、滝や大岩の通過を、ホールドに注意して乗り越えるうちに、大黒滝とその左手の岩棚上に着く。正面には山腹に薄い踏み跡とその上に尾根が見えるが、この道はとらずに右へ回り込み、岩上から谷の右に移ると、笹腹の中に巡視路が出てくるが、谷に沿った踏み跡を辿り、鎖と固定ローブを使って再び谷へ降る。この辺りから狭くなった谷幅一杯に、岩を敷き詰めたゴーロ状となり、傾斜も増して急登になる。谷の両側を岩壁が覆い、右手の上空にはゴンドラの行き交いも近くなってくる。谷中の大岩を三点確保で緊張して乗り越えると、漸く岩が減り、ザレてきて歩き易くなる。やがて前方に源頭が現われ、その先が笹原に消える手前で左についた踏み跡を登って谷を離れる。笹原から低い尾根のT字路に出て左折すると、すぐに大黒岩の下に着く。岩上に立つと四周に展望が開くが、足元には十分注意する。道を戻って山頂に向うと一の谷新道に連絡するザレた道を過ぎ、緩く登るうちに笹が低くなって展望が開け、正面に山上駅が見えた所で、左に付いた石段を降ると、レストラン前の遊歩道に出る。
尚このコースを帰路にとるのは、一般のハイカには危険である(遊歩道の階段入口に通行止の標示もある)従って復路(帰路)は裏道等を戻る。 |
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