[2]表道峠道(周回)

26 御在所岳1209m(菰野町)

最短時間の直登コース二つ

山頂台地の拡がる御在所岳
歩行時間  3:30  
総時間  5:30  
山行調査日 11/9/8
難易 B  安全  B  体力  B   展望  A
地形図  御在所山
問合先  菰野町役場
留意点  駐車地から短時間で歩けるので山上公園もゆっく
      り回れる。
広い山頂台地を開発した山上公園には、自然と人工物の混在した沢山の見所があり、観光客に混って山上で時間が費やせるのも、御在所岳ならではの楽しみである。但し山の登陸に時間のかかるハイカーには、一度に総ての見所を回るのは大変で、特に前掲の中道と裏道コースは、国見岳に回るケースも多くあまり時間がさけない。その点で本項で紹介する表道と峠道の周回は、車でアプロ出来れば所要時間が少なく、山上公園の西側にも充分時間がかけられる。それに峠道からの降りは、中道に匹敵する程の迫力のある展望を、鎌ヶ岳を中心に見せてくれるコースでもある。
武平トンネルを東へ少し降った南側の広い駐車場へ、車を置いて歩き始める。大きな案内板の立つ裏から、笹を分けてスカイラインに沿った山道に入り、湯の山方向へ左折して表道に向う。車道に沿ったり離れたりしながら、谷沿いの岩の多い道を緩く降り、四つ目の支流を渡る手前で、石鳥居や石碑の立並ぶ所から、鳥居を潜って表道登山道に入る。車道の下を抜けて階段を登り、一度車道に出てすぐ又細道に入り、車道のカーブ地点から傾斜のきつい山道となる。車道と車道の間は、階段を付けた遊歩道も造成中である。山道は始めから岩の多い急登になるが、よく踏まれた掘れた溝道で解り易く、所々には固定ロープも付いている。一登りして汗がにじむ頃、平坦な岩塊の一画に出る。右手の木立の間から、長い飛瀑を落とす百間滝を眺める展望台で、少し上には左の木立の間にも滝が見えて、東西の両多古知谷が、涼気を誘う滝の競演である。展望台を過ぎると急登は少し緩むが、道は岩質に変りガレた部分が枝道状になって、分岐が幾度も現われて紛らわしくなる。いずれも上で合流するが、岩に記した矢印に沿って歩けば安全である。山頂部に近くなって一度降って沢を渡った後、登り返して展望の良い草地を過ぎると、深い笹薮に入り石段を登りきって、山上公園の明るい遊歩道に出る。
遊歩道を右折すると山上駅や朝陽台方向で、左折すると三角点方向に遊歩道が延びている。両側の広葉樹に樹名を記した舗装路を左に向い、突当を右折して石段を登ると、大きな標識を立てた三角点広場に着く。この辺りで昼食時となるが、その後望湖台・国定公園記念碑・長者池・御嶽神社と、舗装路に平行する地道の遊歩道を歩いて山上公園を回った後、右手に回り込んで峠道の下山口に着く。尚も遊歩道は先に延びているが通行止で、先端にあったユースホステルも今は無い。
峠道の笹が覆う溝道に入ると、小広い空地に出た後、笹と潅木の茂る道と、岩の集中する岩峰が交互に連続する急降下になる。降るうちに『天さし指岩』と呼ばれる奇岩が、鎌ヶ岳を背景にして現われる。握った手から指1本立てた形が、いかにも人の手を彷彿とさせて面白い。その後も岩道は続くが、正面に見る鎌ヶ岳は見る度に大きくなってくる。好展望に疲れを忘れて降り、笹に埋もれた深い溝道に入って出ると、西側が大きく崩れガレ場となる。ガレの頂部を慎重に渡り、二次林の鞍部に出ると、踏み跡の交差する武平峠に着直進すると鎌ヶ岳へ向う県境縦走路で、左折して山腹を降り、武平トンネルの少し先から車道に出て駐車場に戻る。車道へ出ないで細い沢から車道を潜ると、湯の山へ向う山道へ続いている。