鈴鹿中部の展望台

21 南コブ723m(菰野町)

ハライド 908m(菰野町)

朝明と湯の山の中間尾根を歩く

ガレと岩頭のハライド

歩行時間  5:00  
総時間  6:30  
山行調査日 9/10/25
難易 C  安全  B  体力  C  展望  B
地形図  御在所山
問合先  菰野町役場
留意点  ハライドは好展望も岩の露出に注意。稜線の踏み
      跡は随所で薄い。
御在所岳と釈迦ヶ岳の間を流れる朝明渓谷に沿って、その南側を屏風の様に立ち塞いで走る尾根がある。県境稜線上の国見岳から眺めると、伊勢平野に向って徐々に高度を落としていく尾根の様子が一望出来るが、その中程で頂上付近が大きくガレて、白い地肌を見せるピークが『ハライド』で、更に東へ目を転じると、頂上付近に白く点々と岩を乗せているのが『南コブ』である。御在所岳や釈迦ヶ岳の人気に埋もれて名も知られず、この尾根自体に足を踏入れるハイカーも少ないが、東の東海自然歩道(風越峠)から尾根を目指し、西の腰越峠から朝明や湯の山へ戻る周回は、山歩の醍醐味を感じさせる変化があり、展望も又所で素晴らしい。但し踏み跡が薄い所も多いので山馴れた人と同行したいコースでもある。
菰野町から朝明渓谷に入り、バス停『水無』の脇から、南へ登る東海自然歩道を歩いて風越峠へ向う。朝明川の転石を踏んで川を渡り、風越谷の流れに沿って幾度か橋を渡り、木や石の階段で整備された急登道を30分程で風越峠に着く。風越峠から南コブ迄は、別途に紹介する湯の山コースと重複するが、峠の小さな道標を見て尾根に出ると、後は一本道で迷うことなく、30分程で樹林の中の南コブ山頂に着く。その後尾根の拡がった雑木林が南コブのエリアで、木立に囲まれた最高点や、展望の良いザレ場で一息入れた後、ハライドに向って尾根を西に歩き始める。
南コブを離れると、尾根道は急に笹と木の根が張りだし、歩きにくい降りとなるが、幾つかのビークもあってアップダウンしながら歩く。所々で右手のガレ場に出て、その都度小休止しながら展望を楽しむうちに、尾根が消えて樹林の中に入り踏み跡も薄くなる。目印のテープを確かめて進むと、谷の源頭を思わせる山腹に切れ込んだ谷に出る。谷を避けて左に回り込むと、再び尾根道になり、後方の展望も開けてきて、歩いてきた南コブが見えてくる。藪漕ぎの急登を越えると、右手に大きなキレット()があり、脇を慎重に越え、近づいてくる県境稜線を前方に見ながら進むうちに、再び尾根から右に外れて踏み跡の薄い道となる。前方左の尾根の高みに向って前進すると、ようやく背の低い笹の茂る平坦な道に出た後、数分でハライド山頂に着く。南コブから2時間の所要時間だった。山頂は低い潅木の道を挟んで二つのピークがあり、いずれも展望がすぐれ、特に西側の山頂は、釈迦ヶ岳から御在所岳迄、鈴鹿中部を見渡す第1級の景観で、登頂の苦労が十分報われる。但し周囲に遮るものがなく、風の強い日は持物や身体を飛ばされない様に要注意である。
ハライドからの帰路は、西の腰越峠に向ってガレた岩場を踏み場所を選びながら急降下すると、朝明と湯の山の分岐がある腰越峠に着く。振り返ると、石を積んだケルン越しに、降りてきたハライドが急崖の岩肌を見せている。峠の分岐を右折して朝明に向う。低い樹林の溝道が少し続いた後ゴーロ状の枯れ沢を歩く。脇目もふらずに足場の岩を見詰めて降ると、岩道が終って堰堤左の巻道となる。その後沢沿いの道から林道に出ると、すぐに朝明ヒュッテ本館からバス停のある駐車場に着く。登山口へ歩いて戻ると40分程かかるのでこちらへも車を置ければ送迎に便利である。