八風峠に隣接する隠れた秀峰

17 三池岳971m(菰野町)

歴史と伝説の山旅

三池岳(八風峠南より)
歩行時間  3:10  
総時間  4:40  
山行調査日 11/5/30
難易 B  安全  B  体力  B  展望  A
地形図  御在所山
問合先  菰野町役場
留意点  無難に歩けば初級者卒業。八丿虱峠から八風西
      谷へ降り易いので注意
伊勢と近江を結ぶ鈴鹿越えの一つが八風街道で、山脈(県境稜線)を抜ける鞍部が八風峠である。鈴鹿中北部の竜ヶ岳と釈迦ヶ岳の中程にあって、伝えられる茶店や宿屋こそ今はないが、峠には八風大明神の石碑と鳥居が建ち、名の如くいつ訪れても、広い砂地に涼しい風が吹き抜けている。その八風峠から北に隣接して、穏やかに高度を上げている山が三池岳である。竜ヶ岳と釈迦ヶ岳の名峰に挟まれて、知名度が低く登る人も少ないが、北方の砂山付近から眺めると、東へ長い尾根を伴って迫力のある山容を見せ、登山道も数多く拓かれている。その中で基本コースとされるのが、東の八風渓谷から谷沿いで八風峠に登る昔の八風街道跡で、それに同じ登山口へ戻る東尾根を周回するコースが、変化があって面白い。但し本項では、道が解り易く歩き良い東尾根から登り、八風峠から八風東谷へ降るコースを歩いた。
国道306号線の朝明と宇賀渓の間で、八風渓谷又は八風キャンプ場の標識を見て山手に折れ、舗装路を登って行くと、4キロ程でY字路の分岐に着く。正面に『八風峠登山道入口』の道標があり、左脇に駐車地と登山届小屋が建ち、八風峠に向う林道が続いている。分岐の右手は八風射撃場の駐車場になっていて、脇を通って東尾根に向う林道に入る。休日等は射撃音が激しく響く林道を少し歩き、右手の切開きに付いた三池岳の道標を見て山道へ入る。(見過ごして行過ぎると、すぐに林道が終るので引き返す)山腹に入ると植林の下にしっかりした踏み跡が続き、やがて尾根道に変ると二次林に囲まれてくる。最初の分岐で八風峠の標示方向へ登ると、尾根がヤセて岩の散乱する道となる。踏み跡が消える所もあるが、高所へ向うとすぐに先の踏み跡に出る。急登しながら岩のない笹道と岩道を繰り返した後、次の分岐を右にとると、笹と潅木の歩き易い道となり、程なく樹林の中の小さな『お菊池』に着く。(尚分岐か福王山へ向う踏み跡を少し行くと、尾根の突端から竜ヶ岳方向の大展望が拡がっている)お菊池から先へ歩くと、すぐに山肌を切り崩した巨大なガレ場に出る。滑落しない様に慎重にガレの上端を伝って切開きへ入ると、尾根が拡がってくるが明瞭な笹の踏み分けが続き、ヤセ尾根に変るとすくに小さな空地の三池岳(三角点)に着き、更に数分で四周に展望が開き、明るく広々とした県境縦走路の通る突端に出る。立派な石柱の立つ山頂の突端から、ザレ地を滑る様に降って八風峠に向う。笹と低い潅木下から2度目のザレ地に出て、尾根を抜けると窪地に鳥居と石碑の建つ八風峠に着く。尚途中の分岐で西の八風谷へ降らない様に注意する。特に逆コースの時に間違え易い。
踏み跡の行き交う八風峠から、東へ折れてザレ岩の間を抜け、樹林の中の溝道に入って山腹を降っていく。山側に岩壁が続き、路面にも小岩が散乱するが、古道の面影を残して広く、途中には山旅人を見守る様に三体の石仏が祀られている。中峠との分岐を過ると、すぐに沢に着き渡渉して沢沿いの道となる。石畳を敷いた様な古い道が続いた後、堰堤の前に出て右から乗越して河原に出左岸へ渡ると、その先から道幅が拡がって林道となる。岩が散乱して荒れた林道を、足元に注意しながら八風東谷に沿って緩く降るうちに、出発点の射撃場脇の分岐に戻り着く。