沢歩きのトレーニングコース

14 宇賀渓遡行・熊谷

宇賀渓源頭から熊谷を周回する

名瀑・長尾滝で憩う
歩行時間  3:40  
総時間  5:30  
山行調査日 11/7/17
難易 B  安全  B  体力  C  展望  D
地形図  竜ヶ岳
問合先  大安町役場
留意点  沢歩きの訓練コース。
      燕滝標示の手前から遡行強行すると安全度D
前項では宇賀から砂山を周回する山道中心のコースを紹介したが、宇賀渓を遡行する川沿い中心のコースもある。宇賀渓の源頭から車道の通る小峠に出て、熊谷を周回して駐車場に戻るルートで、山道同様に良く整備されていて、沢歩きが快適な夏のシーズンには、周辺のキャンプ場と共に家族連れで賑う楽しいコースである。一般のハイカーにとっても、別掲の『愛知川遡行』程度の沢歩きをする前の、手頃なトレーニングになる。
宇賀渓口の駐車場(有料)から歩き始め、北河内橋を渡って林道終点迄は、山道コースと同じである。林道から先へ降りて、橋を二つ渡るとすぐ魚止滝の分岐に出る。滝から先の直登は難しいので分岐に戻り、次の分岐から谷へ降りてみるが高い岩壁と水量のある淵で、壁に渡した橋は鉄棒だけになり、その先の鎖場も足場が悪いので、遡行を諦めて分岐に戻り、燕滝の標示がある次の分岐から、谷へ降りて遡行を開始する。
宇賀渓は川幅が狭いうえに岩が多いので、水歩以上に岩の乗越しが多くなる。従って渓流シューズの時は、滑り易い岩を避けて水場を選ぶのに苦労する程で、足元が濡れる覚悟なら登山靴でも支障なく歩ける。岩の多い所は赤ペンキの目印に注意して効率よく進み、固定梯子やロープも見落さずに利用して遡行するうちに燕滝に着く。滝の右手へ五階滝のある蛇が合流しているので、右に寄って鎖を持って岩壁を乗越し、蛇谷を渡って山腹の岩道を、ロープや丸太橋で越えて再び谷へ降りる。その先も巨岩の散乱する川床が続き、岩を擦り抜けたり、梯子で乗越えたりするうちに、右から降りてくる山道と合流し、後は両岸に付いた巻道へ、固定ロープを握って渡渉を繰り返し、6回目の渡渉で、青く澄んだ淵とナメ床から『くの字』に流れ落ちる長尾滝に出る。滝を鑑賞しながら一息入れた後、右手のゴーロ状の岩溝に入り竪梯子を使って滝上に出ると、すぐに左へ渡って砂山の道標が付いた山道へ入る。踏み跡はジグザグした急登になるが、石積の堰堤前で砂山の分岐を分けて直進し、次の堰堤を右から回り込んで上に出ると、宇賀渓の名が嘘の様に、砂質の川床を音も無く流れる小沢になる。沢に沿って幾度か渡渉し、源頭で沢を離れて植林に入るとすぐに、石神峠に向う国道の小峠に出る。
小峠からすぐ下に広い空地があり、その脇のガードレールの奥に、道標も無く目立たないが熊谷へ降る道がある。潅木や夏草に埋もれているが良い道が続き、すぐに源頭が現われ沢沿いとなる。この谷沿い道も良く整備されていて、沢の渡渉は丸太橋が掛けてある。二か所程谷を離れて山腹の高巻きとなるが、良く踏まれた溝道を辿るうちに、分岐のある石積の前に出る。左から石積の前に出て、沢を渡ると堰堤の先から林道風の広い道になり『やまやけ橋」を渡るとすぐに、白龍神の看板が立つ脇の舗装路から、左折してすぐに広い車道に出る。国道を左折して降り『鵜峠橋』と『水晶橋』を渡ると、左手の新しい遊歩道を過ぎた後、右側に水晶キャンプ場入口の標識と遊歩道が現われる。遊歩道へ入ったすぐ左に、東海自然歩道が国道沿いに通っているので、歩き易い地道の自然歩道に入る。登竜荘の前で一旦車道に出るが、再び自然歩道に入り、分岐で北谷キャンプ場方向へ曲ると、駐車場近くの車道に出る。