ファミリーハイクの定番

13 砂山・宇賀渓谷498m

ピークと渓谷美

展望の良い岩峰『砂山』

歩行時間  3:00 
総時間  4:30  
山行調査日 10/9/8
難易 A  安全  B  体力  B  展望  C
地形図  竜ヶ岳
問合先  大安町役場
留意点  初級者向きの訓練コース。但し谷沿いの山道は緊
      張する箇所多い

竜ヶ岳南麓(三重県側)は、竜ヶ岳から北に派生する『遠足尾根』と呼ばれる長い尾根と、県境稜線の南から東進する尾根に三方を囲まれる様にして、急峻な山腹から流れ落ちる源流を集めて、距離はさほど無いが渓谷美に溢れる谷を形成している。谷の名を宇賀渓といい、観光開発と相まって、キャンプ・川遊び・ハイキング・登山等県内でも有数のリゾート地と化している。渓谷沿いには川道と山道が整備され、東進する尾根の中程には、展望の良い岩峰『砂山』があり、石畳みを敷いた様な遊歩道が続いていて、宇賀渓と砂山の周遊道は、家族連れでも楽に歩ける人気の高いハイキングコースとなっている。
国道306号から大安町に入り、宇賀渓の標識を見て山手に折れると、5分程でアーチの有る宇賀渓口に着く。バス停脇の駐車場に車を置いて歩き始め、売店街からY字路を右折し、北河内橋を渡って林道へ入る。植林や二次林で薄暗い林道はテント村へ抜ける青い橋の先から地道に変り、緩やかに登るうちに終点となる。右手には竜ヶ岳登山口(ホタガ谷道)があり、宇賀渓は直進して右奥から山道へ降る(この後『砂山』の道標が間断なく現われるので注意しながら歩く)
橋を二つ渡った後、すぐに魚止滝の案内が出てくる。1分で行けるので川に降りて、高さはないが水量の多い滝を眺めた後、道へ戻り先へ進む。途中の分岐では川道をとらず山道を歩く。岩壁をロープで乗り越す所があるが、その先は歩きやすい山腹道となる。但し谷を高巻するので、谷側の急崖脇や、ガレ場を丸太の橋で渡ったり気は許せない。ほどなく五階滝へ出る。夏でも涼しい滝の前から転石を踏んで渡り、竜ヶ岳登山口(ヨコ谷道)を過ぎるとすぐ、谷に出て川道と合流する。ここから暫く谷に沿った遡行となる。渡渉と谷沿いの道とが交互に現われるが、渡渉する場所にはロープが張られ、脇の岩にはペンキマーク(矢印)があるので、それに従うと歩きやすく、正確に谷沿い道と接続する。間も無く深い淵に水音高く流れ落ちる長尾滝の前に出る。しばし滝を鑑賞の後、渡渉して右手の岩ガレに入り、鉄梯子を伝って滝の上に出る。再び渡渉して正面に石積みの堰堤が見え始める頃、石穂峠へ向う分岐を分けて砂山方向へ左折して山道を登る。
山道は尾根に向う山腹道で、よく踏まれているが急登となり、木の根を掴んで息を切らす頃、ようやく尾根に出て、笹と雑木の下を抜けると、急に明るいピークに飛び出す。岩の上に立つと、竜ヶ岳から遠足尾根の展望が、手に取る様に間近に迫っている。ピークで一息入れた後砂山へ向う。樹林の下の平坦な良い道は、やがて急な降り道と変り、通り過ぎたのかと心配し始める頃、道脇を少し登って砂山に着く。山頂は岩の林立する小さなピークで、竜ヶ岳から伊勢平野、そして三池岳辺り迄、300度近いパノラマが拡がっていて見飽きない。
砂山からの帰路は、急に広く整備された遊歩道になる。傾斜の道には、どこから集めたのかと思う程、ふんだんに石を並べて階段状に積み、それがバス停近く迄続いている。道の途中にたくさんの分岐が出てきて紛らわしいが、道標に注意して『バス停』方向へ降れば、一本道で駐車場のすぐ前に戻り着く。