[1]小岐須渓谷~小社峠~一の谷(周回)

40 仙ヶ岳 961m(亀山市)

野登山 851m(亀山市)

仙ヶ岳西峰(東峰より)
歩行時間  5:40  
総時間  7:30  山行調査日 10/6/5
難易 C  安全  C  体力  D  展望  A
地形図  伊船
問合先  鈴鹿市役所
留意点  仙鷄尾根や-の谷は崩壊箇所が多いので足元
      注意して慎重に。
鈴鹿の名峰と原生林の山を巡る『鈴鹿の鹿島槍ヶ岳』とはやされる仙ヶ岳は、高度こそ千米をきるが秀麗な双耳峰の山で、南鈴鹿の盟主と言われる名峰である。北隣の宮指路岳(東海展望)から眺めると、男性的な仙ヶ岳から東へ続く仙鶏尾根の起伏を通して、女性的なドーム状の野登山が好対象に迫力満点で迫ってくる。野登山の山頂部には、ブナや杉の原生林に守られ古刹野登寺が今も佇み、古くは仙ヶ岳を奥宮として、雨乞信仰や修験道が栄えたそうである。そんな往時を偲びながら、二つの山を周回するコースを歩いた。
鈴鹿市内から小岐須渓谷に入り、大石橋から更に奥へ走ると、車止が有りその脇の駐車場に車を置いて歩き始める。仙ヶ谷に沿った林道はすぐに地道となり、緩い傾斜を登るうちに終点となる。そこから沢を右に渡って山道に入り、沢に沿って幾度か渡渉しながら岩の多い道を登る。道は次第に急登となり、息を切らしてジグザグ道を登り詰めて県境稜線上の小社峠に着く。
稜線を左折して仙ヶ岳に向う。二次林の茂る明るい縦走路を緩く登り、正面に聳える山頂が、やがて樹林に消え、展望の開ける笹道に変るとすぐ山頂(西峰)に着く。笹を切り開いた狭い地は、十人も立つと満席になるが、西の一画を除いて雄大な展望が拡がっている。西峰から東峰に向って急な傾斜を降ると、白谷道の分岐を過ぎた鞍部から登りに転じ、樹林の下を緩く登って東峰の山頂部に着く。分岐に出て左をとると最高点へ行くが、右に折れるとすぐに、巨大な岩が倒立した様な『仙の石』の前に出る。岩の周辺から西峰より更に雄大な景観が拡がっている。大休憩に良い場所である。仙の石からすぐに降り道となって、仙鶏尾根と呼ばれる尾根道を野登山に向う。所々に道標が立ち、踏み跡も明瞭で迷うことはないが岩場の間の急降下で始まり、固定ロープの付いたガレ場の乗越しや、両端が急崖のヤセ尾根道が随所にあり、緊張の連続で高所恐怖証の人には特に苦しいアップダウンになるが、最後に植林帯を登りきると、野登山の中腹に切通した車道へ出る。野登山の山頂には、野登寺のすぐ上に、麓からも良く目立つ巨大な電波塔が立っていて、車道を歩いても寺へ行けるが、車道を横切り藪をかき分けて山腹に入り、原生林の中を南東に進むと寺に出る薄い踏み跡がある。寺に出て一息入れた後、鐘楼の右から三角点に向う。湿地を過ぎ三角点に立寄り、国見岩を通って林道に出た後、右折するとすぐに国見広場に着く。広い草地から入道ヶ岳方向や伊勢平野の展望が開けている。
広場から右に出て、ネットを潜って東の尾根道へ降る。笹と潅木が茂る岩の多い道を急降下するうちに、尾根の鞍部()に着く。木立がなく南北に展望の良い窓から、北の小岐須に向って急降下する。野登山と右手の鳩ヶ峰に挟まれた谷間から一の谷へ降る道は、展望は良いが夏草や小潅木藪漕ぎで歩きにくい。やがて道は沢沿いとなり幾度か渡渉しながら、所々で路面が崩れて気を許せない道を辿るうちに、固定ロープを張った岩場から山道に入り、程なく御弊川にかかる橋を渡って、小岐須山の家脇の駐車場に着く。その後車道奥の駐車場迄歩いて40分程かかるが、車を両方の駐車場に分散出来れば時間短縮が出来る。