シャクナゲの群生する鈴鹿の高天原

97 高円山 945m(土山町)

東西から登るルート二つ

秀麗な富士形の高円山
歩行時間  4:20
総時間  5:40
山行調査日 11/8/3
難易 B  安全  B  体力  B  展望  B
地形図  伊船
問合先  土山町役場
留意点  山頂はシャクナゲ群生で開花期は楽しいがそれ
      以外は平凡。

入道ヶ岳の南麓に椿大神社がある。祭神は猿田彦命で、交通安全の守り神として良く知られた神社である。その神社由緒によると、猿田彦命が天孫降臨した所、即ち高天原の地が高円山で、磐座尾根から入道ヶ岳に移り住んだという話である。高円山と言っても県境稜線西の山深い位置にあって、人里から見えず知る人も少ないが、鎌ヶ岳や水沢岳から眺めると、巨大な電波塔を立てた峰と並んで、かなり目につく山である。『高天原と言われる高円山とはどんな山か』という興趣にかられて、鈴鹿スカイラインから長い林道を歩いて山頂を訪ねた。勿論三重県側から入るルートもあるので、併せて紹介してみたい。
鈴鹿スカイラインを大河原から入り、野州川夕ムを過ぎ深山橋を渡った先で、右手に元越谷林道が現われるので、林道脇の空地に車を置いて歩き始める。林道入口で大河原橋を渡ると、緩い傾斜の地道が左手の元越谷に沿って続いている。暫く歩いて開閉式のゲートを抜けるとすぐに、林道が分岐する広い空地に着く。左折すると水沢峠に向う元越谷林道で、高円山は直進して猪足谷林道へ入る。(ここ迄車で入る事も出来る)分岐を直進すると舗装路に変って歩き易くなるが、すぐに地道に戻って岩屑や凹凸で路面が荒れてくる。1時間程歩いて、左側の谷が低い尾根で塞がれてくると、樹脂製の避難小屋と横谷山の登山口がある空地に出る。ここから先は山腹を切通した道で、右側が明るく開き、宮指路岳方向の展望を眺めながら歩く快適な林道となる。高度が上がると再び舗装路となり、脇には『NTT甲賀無線中継所』の注意板が立っている。程なく右手に林道分岐が現われ、すぐ先で『宮指路岳登山道』の立つ踏み跡に出る。左へ大きく回り込み正面の電波塔が近くなる頃、右手の木立に付いたテープ目印を見て、高円山に向う山道に入る。
雑木の下を抜けるとすぐに尾根道になり、明瞭な踏み跡が続いているが、左側には崩壊地が多くガレが連続して現われ、踏み跡も段々ヤセ尾根に変って足元が怪しくなる。危険な所は尾根を避けて右下に巻道があるので注意しながら進む。かなりの急降下で鞍部に着いた後、今度はきつい急登になる。ヤセた尾根上に松や杉が露出した根を這わせていて、躓かない様に木の枝や根を掴んで登りきると、尾根が拡がって平坦になるが、シャクナゲが群生して狭い山頂部は楽に前進出来なくなる。枝を分けながら高所へ出てようやく山頂となるが樹林の中で、展望は西へ出たガレの上と、少し戻った尾根上から、雨乞岳方向と鎌ヶ岳方向が開いている。帰路は来た道を戻るが、一か所だけ鞍部近くで右折する所を直進し易いので要注意。舗装路へ出てそのまま林道を歩けば、迷う心配もなく駐車地に戻れるが、電波塔を左から回り込んで裏の尾根沿いに林道途中降る事も出来る。踏み跡はないが尾根(ピーク)から簡単に林道へ出れるので、地図読み訓練に良いルートである。[三重県側のルート紹介】宮指路岳のコースからカワラコバ道をとって小岐須峠に出た後、尾根下を右折するとすぐに分岐に出る。左折して稜線を離れるとすぐに良い尾根道となり、一本道で前述の道標が立つ舗装路に出る。小岐須峠から高円山を往復して2時間見れば良いので、宮指道路岳とセットで歩くことも十分可能である。