鈴鹿山地最奥の秘境を歩く 88 イブネ1167m(永源寺町) クラシ 1154m(永源寺町) 朝明からオゾ谷・杉峠の周回 |
イブネ(右奥)遠景(綿向山より)
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歩行時間 6:30
総時間 9:00 山行調査日 12/5/29 難易 D 安全 C 体力 D 展望 B 地形図 御在所山 問合先 永源寺・菰野 留意点 長丁場なので5~6月が適期。笹の深い時は磁石 必携(方位確認) |
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『鈴鹿山地最奥の秘境』を定義付けるのは難しいが、林道の敷設により、山中深く迄車のアプローチが可能となり、最短のコースをとって山頂に立つだけなら、殆どの山が3時間以内で登れるようになった。その様な意味で『イブネ・クラシ』は、朝明・武平峠・甲津畑・杠葉尾と、四周のどこから目指しても3時間以内の登頂は無理で、まさしく鈴鹿山地の秘境の山である。紹介するコースは、三重県側の朝明から、オゾ谷を登り杉峠か降る周回路をとったが、滋賀県側の甲津畑から杉峠に出てもほぼ同じ時間の行程で、いずれも長丁場となり、陽の長い時期の早立が必要である。水晶岳と同じルートで朝明渓谷から更に奥へ走り、根の平峠分岐手前の空地から歩き始める。往路は砂防ゾーンを過ぎた左手から、中峠の道標を見て左折し、沢を渡って山道へ入る。落差のある曙滝辺りから急登となり、息を切らして岩の多い溝道を登るうちに、笹に覆われた県境の中峠に着く。直進して降りに転じると、よく踏まれた堀道が下水晶谷に沿って続き、苦も無く神崎川にかかる大橋に出る。橋を渡って左折し、川に沿って二次林下の広い溝道を、上流に向って歩くうちに、水流の多いオゾ谷に出合う。谷の手前で右折して戻る様にして広い溝道に出ると、明瞭な踏み跡が、涸れ沢や小沢を渡りながら上流に続いている。程なく沢に近づいて渡渉すると、暫くは中州状や沢中の薄い踏み跡や転石を踏んでの遡行となる。右手山腹の四角な鉱山跡を過ぎると、すぐに沢が二股になり、左をとって水流のないガレた沢床を登るうちに、右手に尾根筋が現われるので、少し上で沢の岩が消える所の古木を目印に沢を離れ、傾斜のきつい山腹を慎重に登って尾根に乗る。尾根に出ると踏み跡は消えるが、シャクナゲの群生を縫うように、尾根芯をとって高所へ向い、木の根を掴む急登がようやく緩み、笹が現われるとすぐにクラシに着く。展望のない山頂からイブネに向うと、尾根筋は急に平坦で歩き易くなるが、尾根が拡がって来ると樹木が消えて笹原となる。『越母岳』の木札を付けた目立つ広葉樹を過ぎると、笹が密度を増し踏み跡も消えるが、南西方向に樹木が立並ぶ小高い丘を目指して進むと、ここがイプネ北端で、上に出ると薄い踏み跡が笹原に延び、やがて正面に雨乞岳から御在所岳の展望が開けてくる。イブネの山頂はこの辺りか樹林下の降りになる間にあるが、平坦な地形で標識もないので、気付かずに通過しそうである。樹林に入って降りきった所が佐目峠で、尾根に沿って踏み跡やテープ目印に注意し、アゲンギョ・杉峠頭から展望の良い草原に出て、降った所が杉峠である。特徴のある老杉の脇を左折し、山腹のしっかりした踏み跡を帰路にとる。やがて広い林間に石積跡の残る鉱山飯場跡を過ぎ『千草越え』と呼ばれた古い街道を偲ばせる良い道を辿るうちに分岐に出て、右折するとすぐに神崎川沿いとなる。川渡渉して右岸に出て程なく、コクイ谷の出合を丸太橋で渡り、所々の分岐で『根の平峠』の道標に沿って笹道や溝道を辿るうちにタケ谷道に出て、右折してすぐに根の平峠に出る。歩き慣れた根の平峠から最後の降りをとって朝明の駐車場へ戻る。 |
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