御池岳奥の秘境を歩く

75 土倉岳1049m(永源寺町)

大展望の拡がる稜線と巡視路

御池岳稜線続きの土倉岳
歩行時間  3:35
総時間  5:00
山行調査日 9/11/10
難易 B  安全  A  体力  A  展望  B
地形図  竜ヶ岳
問合先  永源寺町役場
留意点  三角点が笹中で解りにくい。帰路に方向を間違え
      ないように注意。

藤原岳展望丘から北西を眺めると、重量として連なる鈴鹿北部の山並みの中で、一際巨大な御池岳のすぐ左に、分身の如く寄り添っている山が土倉岳である。尾根上の小さなコプ程度にしか見えないが、鈴鹿山地の中で最も高度のある県境稜線のその奥にあって、四周の何処から目指しても容易に一日では往復出来そうもない感じの山である。しかし近年、林道建設が到る所で山深く延びて、土倉岳の登頂も『茨川』迄車でアプローチすると、登山口から3時間半で楽に往復出来るファミリーコースとなった。
永源寺方向から八風街道を山手に向い、杠葉尾の先の神崎橋から2キロ程で、茶屋川に沿って遡る茶屋川林道口に着く。三重県側なら石榑峠から7キロ程に降った所である。国道沿いの林を抜けて林道へ入り、終点の川を目指す。道は未舗装のうえに修復もせず、路面は大きな凹凸が無数に生じているが、それでも普通車の通行は可能で途中で一か所の二股道を左にとり、速度を落して30分以上かけて10キロ余を走ると、茶屋川を横切る所で林道が終り、脇の空地に車を置いて歩き始める。
川を渡ってキャンプ場になる広い河原へ出た後再び渡渉して『ノタノ坂』の道標の付いた山道へ入る。すぐに沢沿いとなり、間も無く沢の向うにテープの沢山付いた踏み跡が見えるが、そのまま直進して涸れ沢を少し登り『山火事注意』の看板のある裏から、北西に急登するとすぐに尾根道となり、右手の植林と左の二次林の境を緩く登るうちに、明るい鉄塔の下に出る。樹木が伐採されて大きく展望の開ける草地で一息入れた後、巡視路を上に歩いて尾根の縦走路に出て右折し、御池岳方向に向う。尾根の稜線は緩い傾斜のアップダウンが続き、前方の藤原岳や後方の天狗堂の山並みを眺めながら、二次林の茂る高原の遊歩道の様な快適な道を歩くうちに『御池岳』の道標が掛かる分岐に着く。『真の谷・白船峠』の標示を逆に、左折して土倉岳に向う。北へ向う尾根の稜線も快適な遊歩道が続き、右手にはブナの目立つ木立の間から御池岳の山肌が見え隠れする。白いモザイク模様はボタンブチ辺りの岩壁であろうか。途中で通る鞍部『河倉峠』は、かって人の通った道も、薮に埋れて踏み跡の片鱗すら見えない。やがて道が登りとなって山頂近くなると、背の高い笹が覆い、尾根が拡がって踏み跡のはっきりしない樹林の中となる。テープを追いながら西へ進んで最高所らしき所でようやく三角点を見付けるが、山頂を探して北へ行き過ぎて降りになると、御池岳へ向う道となるので注意する。
帰路は来た道を戻るが、往路の鉄塔分岐から前方の尾根を降ってみる。分岐から尾根の巡視路を歩き二つ目の鉄塔から左折して山腹道となる。通過する鉄塔は、いずれも好展望が鉄柱で分断されながら拡がっている。最後の鉄塔から尾根へ直行する降り道が、上から入ると解りにくいので、少し遠回りになるが右手から古い踏み跡を辿って尾根道に戻る。途中で『ノタノ坂・君ヶ畑』の分岐を分けて左に降り、植林に入ってジグザグ道を歩くうちに往路で見たテープの付いた沢に着く。沢を渡渉してキャンプ場に出て駐車地迄一歩きである。時間に余裕があれば茨川の茶屋川周辺を散策してみたい。紅葉の頃が最高である。