大君ヶ畑御池谷~鞍掛橋(周回)

74 茶野938m(多賀町)

鈴ヶ岳1130m(多賀町)

草原の展望と二次林の稜線を歩く

茶野の山塊(ミノガ峠より)

歩行時間  4:40
総時間  6:30
山行調査日 12/5/10
難易 C  安全  C  体力  C  展望  B
地形図  篠立
問合先  多賀町役場
留意点  軽く歩くなら茶野の往復だけでも北部鈴鹿の雰囲
      気が溢れて楽しい

鈴鹿山地の最高峰・御池岳の南北に延びる巨大山塊は、北端の鈴北岳から県境稜線を分けて西へ向う尾根を派生し、鈴ヶ岳から降った先の、高原状の峰が茶野である。鞍部の桜峠から北へ小さな盛上がりを見せる茶野の山頂は、樹林の疎らなカヤトの草原に石灰岩が散在し、目前の鈴ヶ岳から南へ雄大な景観が拡がる展望台で、大君ヶ畑から短時間で歩けるルートがある。茶野から尾根通して桜峠に出た後、稜線を伝って鈴ヶ岳から御池谷を降って鞍掛橋(国道)へ出ると、40分程で駐車地へ戻る周回コースとなる。下山口にも置車出来れば、その分だけ時間短縮も可能である。多賀町から国道306号を山手に向うと、鈴鹿山地の県境近い奥深くに大君ヶ畑の集落がある。廃村集落の多い鈴鹿の山中でも、国道沿いの為か大君ヶ畑の集落は今も健在で、30軒程の家屋が並び立ち、神社やバス停もある。但し県境の鞍掛トンネルを抜けて三重県側から入る時は、冬期閉鎖に加えて、道路工事の通行止が多いので、事前の確認が必要である。バス停から5分程東へ歩いた所に登山届箱が置かれ、道の反対側に茶野へ向う山道が続いている。道は杉林と畑の間を抜けると植林下に入り、薄暗いが踏み跡の明瞭な溝道を急登するうちに、緩い登りに変り歩き易くなる。尾根から少し山腹へ出た後、正面に立木の間から富士形の『ホリ』と呼ばれる小山が現われる。これを避けて右に回り込み、細い窪地を越えて尾根に向って登り詰めると、周囲が伐採されて展望の良い草地の鉄塔下に出る。但し鉄塔の先に出ると細い樹林に石灰岩が集中して歩きにくいので、窪地を越えずに上に出て、鉄塔の先から尾根に乗る踏み跡もある。何れをとっても石灰岩帯の先に出ると、明るい二次林と下草のない歩き易い尾根道が、山頂迄ほぼ1本道で続いている。所々で石灰岩帯の脇を抜け、細い潅木とカヤトの草地に変った斜面を、高所へ登りきると茶野の山頂となる。草原に石灰岩の点在する山頂で、一息入れて展望を楽しんだ後、道を戻りながら右へ回り込み、尾根に乗るともう一つの、ここも草地が拡がる茶野のピークに出た後、降って鉄塔の立つ桜峠に着く。右折するとミノガ峠に向う巡視路もあるが、鈴ヶ岳へはそのまま稜線を直進して行く。二つ目の鉄塔を過ぎると傾斜がきつくなるが、二次林が茂る明るく広い尾根は苦も無く歩ける。ブナやコナラの古木が目立つ所から、尾根が拡がり踏み跡も薄くなるが、テープ目印も所々にあり、高所へ向ううちに、右手から来た尾根と合流した後、すぐに石垣を積んだ小広い草地に出る。ここは無線反射板を設置した跡地とかで、大勢の休憩に良い鈴ヶ岳の山頂に3分程の場所である。
地を這う様に枝を張る潅木と、苔むした石灰岩が集中して、展望も休む場所もない鈴ヶ岳の山頂を過ぎると、ここから先は鈴北岳から鈴ヶ岳の周回コースと重複するが、東へ山腹を降って分岐に出て、左折して御池谷へ降る。谷筋は明瞭な踏み跡がなく、伏流で石灰岩の敷き詰まった谷芯を、足元を選びながら、浮石を落とさない様に注意して降って行く。やがて回りに植林が現われ、水流のある谷沿いの林道に変ると、程なく国道に架かる鞍掛橋の横に出る。この後舗装路を緩く降って駐車地迄40分程歩く。