1」南後谷~室の谷林道(周回)

70 高室山815m(多賀町)

倉骨山 755m(多賀町)
丸山 740m(多賀町)

高室山(右手ドーム状)を目指して
歩行時間  4:30
総時間  6:00
山行調査日 10/11/18
難易 C  安全  B  体力  B  展望  A
地形図  高宮
問合先  多賀町役場
留意点  陣屋(鉄塔)から谷へ直進せず、高室山に向って
      山腹を横切る。

霊仙山南麓の芹川と犬上川に挟まれた高原「脇畑カルスト台地』には、鍋尻山と並んで、植林に覆われた山腹から、山頂だけ笹原の坊主頭を出し、何処からでも良く目立って人気の高いのが高室山で、その登山道の一つが、南後谷から室の谷林道に出て山頂下から直登するルートがある。山裾に拡がる植林の造成に伴い、林道が高室山から西の丸山周辺迄延びて、高原地帯が随分と歩き易くなった。林道を総て車でアプローチする事も可能ではあるが、南後谷から歩き始め、林道を利用しながら高室山と倉骨山、そして丸山の3山周回も、ワンデーハイクで楽に出来る様になった。夫々に違った雰囲気があって面白いコースである。多賀大社の前から国道306号を東に向うと、程なく佐目トンネルの前に着く。その手前の集落が佐目で、道が大きく曲る橋の脇から『南後谷』の標示が付いたT字路を北に折れ、最奥迄行った所の、小さなグラウンドの上手の駐車場から歩き始める(三重県側から入る時は県境が冬期通行止になるので注意)歩き始めは林道風の広い道も、南後谷配水地の建物を過ると、植林に入って細い山道となる。所々で岩屑の散乱する急登道が、規則正しいジグザグで長く続く。変化のない植林下に飽き始める頃、ようやく頭上が明るくなって二次林が現われ、鉄塔の下を通過すると平坦な道に変る。植林された桧の若木の間を歩くうちに『陣屋』と記された小さな祠を過ぎ、鉄塔下に出た所で前方の視界が大きく開けてくる。谷を越えて送電線が保月の集落方向に延び、右手は伐採して地肌の現われた丸山の山腹である。丸山の左には目指す高室山がドーム状の山容を見せている。巡視路は谷に向って延びているが、右に折れて高室山を正面に見ながら、山腹の杣道を歩いて林道に出る。伐採した後に植えた桧の若木が、見渡す限りに拡がる林道を緩く登り、分岐に出た所で左をとって高室山の裾を登るうちに、右手の小さな目印を付けた踏み跡を見て山腹へ入る。笹と潅木が茂植林と草地の境に沿って登り、植林から離れて笹の藪漕ぎを抜けると、潅木が密生して下草のない一画に出る。風が当たらず休憩に良い所で、その先は再び笹とカヤトの藪漕ぎをして高所へ向ううちに高室山山頂に着く。無線鉄塔の立つ山頂は他に遮るものもなく、四周に大展望が拡がっている。この後時間が許せば、東へ少し降った倉骨山へ足を延ばして見たい。笹原の薄い踏み跡を東へ降ると、すぐに尾根道となり、行き着いた尾根の突端が倉骨山である。山の頂きと言うよりも、岩峰の尾根頭という感じがするが、東に寄った分だけ鈴ヶ岳や三国岳等の展望が大きくなる。
来た道を高室山迄戻り、潅木の密生地から正面に見える踏み跡へ入ると、往路と違う道から林道に出る。林道を分岐を戻り、往路と逆に左折して丸山の南へ回り込み、青テープの目印を見て右折して植林の山腹へ入る。踏み跡はないが何処でも歩けるので、高所へ向うと植林と伐採地の境となり、そのまま登って山頂に着く。東方だけ展望があり、高室山を借景にして、日本庭園の雰囲気でドリーネや石灰岩が点在する良い景観がある。山頂から北へ植林の下を辿り、ガレた細い谷の右をとると、往路で歩いた鉄塔近くの分岐に出る。後は駐車場迄1本道の降りである。