二次林の拡がる快適な尾根と谷の周回

66 ソノド926m(上石津町)

幾里山 908m(上石津町)

霊仙山の前衛峰を巡る

ソノド()と幾里山

歩行時間  5:10
総時間  7:00
山行調査日 11/10/21
難易 C 安全  C 体力  C 展望  B
地形図  霊仙山・篠立
問合先  上石津町役場
留意点  尾根道谷道共に好雰囲気の良いコース。但し展望
      は伐採地以外はD

広大な山域を持つ霊仙山は、四方に幾筋もの長い尾根や谷を派生させている。その中の一つが、道7合目近くの谷山から東へ延び、向きを南に変えて上石津町の時山へ降る尾根で、両裾を西の数ヶ谷と東の幾里谷が通り、尾根上には中程で大きく膨らんだ『ソノド(別名・霧ヶ峰)』と、北には可愛いピークの『幾里山(別名・鹿遊び)』の二つの山がある。時山から数ヶ谷沿いに林道が整備されていて、林道終点から尾根道と数ヶ谷を周回するルートも拓かれている。植林の多い鈴鹿山地では珍しく、炭焼が盛んだった為か、二次林が豊富で、雰囲気の良いコースである。
国道365号から時山へ向い、集落を過ぎて道が広くなる薮谷橋の手前で、右手についた傾斜のきつい細い道を登ると、すぐに植林下の林道になる。数ヶ谷に沿った地道を3キロ程走ると、道が荒れてくるが林道終点になり、脇の駐車地から歩き始める。(登山口から徒歩5分程の下流にも広駐車地がある)紹介するコースは、数ヶ谷の支流から先にソノドへ登り、藪ヶ谷を源頭から降る周回で、登山口は林道終点から少し下流の、支流が流れ込む舗装箇所の左から、沢沿いの薄い踏み跡へ入る。明瞭な沢の巻道が無いので、渡渉を繰り返しながら、沢の緑や沢中の岩を踏んで遡行するうちに、岩屑が多くなり、沢を挟んでワサビ田跡の石積が現われると、沢左の山腹道となり傾斜もきつくなってくる。やがて沢が源流となって消えると、山腹の急登になる。岩屑が多いので落石に注意し、薄い踏み跡をジグザグと登るうちに、尾根に乗って二次林の密生する歩き易い踏み跡に変り、右手の主尾根と合流した所でソノドの山頂となる。山頂は樹林の中で展望が無く、少し東の反射板跡地も、潅木が茂って展望は優れない。
ソノドから北の幾里山に向う。二次林に覆われた尾根は、明瞭な溝道や踏み跡があり、尾根の拡がる所も、尾根芯を外さず困難も無く歩ける。二つ目の鞍部に出ると、薮ヶ谷へ降る道標と踏み跡があるが、尾根を直進すると、すぐに尾根が拡がって来て、二次林の雰囲気が『遊び』と呼ばれる台地となり、登り詰めた所が幾里山の山頂である。山頂から緩い降りに変ると地形が複雑になるが、直進しない様に注意して、左へ曲る踏み跡を緩く降ると、西向きのヤセ尾根となる。ピークを一つ越えた鞍部から、谷へ向って降りとなるが、ここ迄に良い展望地が無いので、もう少し先へ歩き、林道を横切って尾根を登ると、木立を伐採した明るい山肌に出て、御池岳方向の大展望が拡がっている。鞍部からの往復30分も、展望の良さで充分に報われる寄り道である。
鞍部(手前の峠でも良い)迄戻り、谷へ向って薄い踏み跡を降り、道が消えた所から山腹を南へ滑る様にして降ると、すぐに薮ヶ谷の源流部に着く。沢に出た後は幾度か渡渉しながら、沢中や沢の縁を降るうちに、小滝の前から左に付いた踏み跡とテーブを見て、山腹の高巻道となる(薮谷滝を左岸から巻くので、行き過ぎて滝の上に出た時は戻る)高巻道から滝の下流で再び沢へ出ると、谷沿いの山道が増えてくる。谷側が急崖の狭い山腹道は、足元に十分注意して歩く。谷が広い河原になって歩き易くなるとすぐに、堰堤が現われ、左へ登ると林道終点に着く。