[3]西南尾根~榑ヶ畑道(周回)

62 霊仙山1084m(多賀町)

南霊山1036m(多賀町)

花と展望の名コース

霊仙山南面(保月近くより)
歩行時間  4:50  
総時間  6:30  
山行調査日 11/11/29
難易 B  安全  B  体力  C 展望  A
地形図  霊仙・彦根東
問合先  多賀町役場
留意点  笹峠から最高峰迄展望が続き花も多い。ガスが出
      やすいので注意。

広大な山域を持つ霊仙山は、柏原道や榑ヶ畑道等、人気の高い登山道が数多く拓かれているが、今回歩いた西南尾根道は、あまり紹介されず従って歩く人も少ない様である。柏原や榑ヶ畑から登ると、三角点峰迄歩いて帰路につく事が多いが、このコースは南霊山から霊仙最高点を先に歩くので、同じ霊仙山でも道筋の展望に新鮮味があり、又山肌に咲く花の多さは、他のコースと違った魅力で、雪解ける4月下旬から5月にかけて、一度は歩いておきたい良いコースである。
国道307号を多賀大社口北の『久徳』から山手に折れ、県道を河内風穴に向って走る。芹川に沿った道はすぐに細くなるが、河内の先で分岐を左にとると、落合の集落で行止りとなる。集落には神社や新しい家もあるが、廃村らしく人影はなく、集落入口の空地に駐車して歩き始める。来た道を5分程戻り、道標が立ち小屋の並ぶ所が登山口で、そこから左の山道へ入る。植林下の山腹道を少し登ると、山間に寄り添う様に何軒かの家が並ぶ今畑の廃村集落に出る。家の間を抜けると道は傾斜を増して急登になるが、歩き易い掘割道が続いている。二つ程小さな支尾根に乗り、笹の多い平坦な道になって右手の尾根下を歩き、尾根に出て南東方向に雄大な展望が開く所が『笹峠』である。樹木が途絶えて笹原となった前方の、高く聳える南霊山の山塊に向って笹峠を緩く降り、笹を分けながらしっかりした踏み跡を辿っていく。背を越す笹と低い笹が交互に現われ、右手の展望が徐々に拡がりを見せる笹道は、やがて急登となり、笹の葉や潅木の枝を掴んで登り詰めていく。滑り易い道脇には石灰岩が増え、開花期には草花が咲き乱れる所である。下から見上げていた山頂部に出ると、そこは中間の台地で、その上に更に稜線が聳えていてがっかりするが、笹と岩の薄い踏み跡をもう一頑張りして、樹林の茂る山頂部の近江展望台に着く。細い潅木で展望が少なく、石灰岩を敷き詰めた展望台から、岩を踏んで尾根に出ると、すぐに尾根から右に降って、笹分けの山腹道になる。尾根に沿った巻道から再び尾根上に出た所が南霊山の山頂部で(最高点は尾根を少し戻った所にある)そのまま岩を踏んで尾根を先へ辿り、小ピークを過ぎた所から、深い笹薮を2度潜って霊仙山の最高点に着く。
最高点から笹の切開きを潜り、三角点から経塚山へ出て、各々のピークで展望を楽しんだ後、帰路は榑ヶ畑道をとる。経塚山から汗拭峠迄は柳ヶ畑コースと重複するが、お虎ヶ池を過ぎ、山頂台地の先から固定ロープを持って急降下し、5合目(見晴台)から快適な道を緩く降って汗拭峠に出た後、『河内風穴』の道標に沿って左折すると、急降下の山腹道となる。道は右手の谷に降りながら近づき、谷と出合った後は平坦になって、薄暗い植林下になる。暫く歩いて橋を渡って左岸へ移ると、古い林道の広い道になる。程なく森閑とした山間に、見え出した家屋が落合の集落で、橋を渡ると舗装路になる。集落の中を僅かに歩くと駐車地に戻る。尚霊仙山の山頂部は、日本海型の気象に似て積雪が早く、ガスに巻かれやすい。登山口は快晴でも、山頂に来ると急変することが多いので、山頂がガスって来たら、その地点で判断して引き返すのが無難である。