鈴鹿山脈南端の秀峰 57 油日岳696m (甲賀町) 三国岳 700m (甲賀町) |
油日岳(滋賀県甲賀町より)
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歩行時間 3:45
総時間 5:30 山行調査日 10/5/13 難易 C 安全 C 体力 B 展望 B 地形図 鈴鹿峠 問合先 伊賀町役場 留意点 登山道のパターンが全部揃っている。三馬渓は滝 の多いのが特徴。 |
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北端の霊仙山から、東へ弧を描きながら南下す鈴鹿山脈は、南端の油日岳から伊賀の台地に降って終焉する。山裾も含めて60キロ近い鈴鹿山地のはずれにある油日岳は、北の霊仙山とは規模雄大さも比較にならないが、地元での信仰の篤さはひけを取らない。北麓の甲賀町にある油日神社の御神体とされる山だけに、甲賀の麓から眺める油日岳は、低山ながら風格があり、山頂には奥宮(岳大明神)が祀られ、良い道も続いている。但し北からの道は、林道歩きが長いうえに、植林下の暗い道ばかりで、登山としては物足りないので、歩くなら変化と展望に富んだ南から、三国岳と油日岳を周回するコースをとりたい。
名阪国道上伊賀インターから県道を甲賀町に向うと、4キロ弱で余野公園に着く。公園の舗装路をそのまま奥へ進んで林道に入ると、すぐに東海自然歩道と三馬渓の分岐に出るので、脇の広い空他に車を置いて歩き始める。 分岐を右にとると関町に向う東海自然歩道で、急登道には階段が付き、道標もしっかりと整備されているが、始めの広い道は、すぐに沢沿いの細い山道となる。幾度か渡渉を繰り返して高度を上げていき、身体が汗ばむ頃ゾロ峠に着く。変った名前のゾロ峠から、自然歩道と別れて左折すると急に道が悪くなり、笹と潅木に覆われた藪漕ぎとなる。道筋には風化したザレ場や、深い谷に落ち込んだガレ場があって緊張するが、踏み跡ははっきりしている。急登を登りきると視界が開けて錫杖ヶ岳や経塚山等、南に山並みが望める様になる。展望を楽しみながらアップダウンを繰り返すうちに、両側の樹林がきれて崩れたガレ地の不鳥越峠に着く。峠から先はすぐに岩場の急登で、手にする固定ロープも無く、十分すぎる程慎重に岩を乗越し、登りきって樹林の道に変わると、同時三国岳山頂に出る。 木立の中で展望の無い三国岳は、油日岳と那須ヶ原山との分岐のT字路で、左折して油日岳に向う。遠望する三国岳がかなりの突峰だけに、木の根を掴んで山肌を急降下し、鞍部から急登に変わる。この辺りからガレ場や岩場の多いヤセ尾根の連続となるが、途中に分岐があって直進すると、三国岳と高度も形も似た様なピークがあり、脇には『倉部岳』と書いた札が掛けてある。このまま直進すると三馬渓へ降ってしまうので要注意で、油日岳は分岐から右折する道をとる。尾根道には再びガレ場や岩場が続くが、ほどなく回りに植林が出てくると道が広くなり、油日神社からの合流点を過ぎて一歩きで油日岳に着く。山頂には岳大明神の立派な祠があり、近くに避難小屋もある。以前は優れなかった山頂の展望も、来る度に木立が伐採されて景観が拡がっている。 山頂から『余野公園』の道標を見て脇の踏み跡を右に折れ、深い笹を分けて急降下し、道が岩壁に阻まれる所から、左に降ると三馬渓谷の沢に着く。沢に沿って幾度か渡渉を繰り返すが、この谷地形が急峻の為か滝が多く、一の滝・二の滝と名札が付き、次々と現われる滝を鑑賞しながら、谷沿いのしっかりした巻道を降るうちに、山道が終って簡易舗装の林道に出る。両側を山腹に挟まれた林道を、開放された気分で歩くうちに、駐車地のある東海自然歩道の分岐に着く。 |
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