岩塊とガレの拡がる尾根歩き

54 溝干山 770m(関町)

長石山 630m(甲賀町)
  紅皿山600m(甲賀町)

ガレ肌を見せる長石山
歩行時間  4:00  
総時間  5:30  
山行調査日 11/2/18
難易 D  安全  B  体力  B  展望  A
地形図  鈴鹿峠
問合先  関町役場
留意点  長石山と紅皿山の間は巻道を忠実に辿る。迷い
      易い支尾根に注意。
高畑山で紹介した溝干山から、南に降る県境稜線とは別に、西の大原ダム方向に延びている尾根がある。尾根の中程には長石山と紅皿山の二つの峰があるが、人里から離れ高度もないので、目立つ山でも無く知る人も少ない。しかし尾根の南を通る不老谷林道や、唐木岳近くの県境稜線から見ると、何処が山頂かもよく解らないが、迫力のある大きなガレが、山肌の至る所に拡がっていて、単調な山歩きに飽きた人には、いかにも面白そうで、それに南に降りさえすれば、尾根の何処からでも林道に出られそうな、安心感の持てる尾根筋である。尾根の取付きは、東の坂下峠と西の寺山峠のどちらでも良いが、坂下峠から西へ向う方が降り一方で楽である。従ってどちらの峠側に車を置くかによって林道歩きが後先になるが、本項は寺山峠に駐車して先に林道を歩くコースとした。甲賀町の深山口から『那須ヶ原山登山道』の道標を見て道に入り、大原ダムを過ぎて林道を暫く走ると左へ分岐する広い舗装路に出る。左折してすぐ先のカーブ地点が寺山峠で、脇の空地に車を置き、少し戻って左へと歩き始める。那須ヶ原山へ向う参道橋を渡らずに、直進する林道をとって1時間程、山合と不老谷に挟まれた舗装路を緩く登って坂下峠に着く。両方から道路工事は進めているが、いつ完成するのか予想もつかない程の荒れた坂下峠から左折して山道へ入り、ガレ地に沿って雑木の中を30分程急登して溝干山に出て、山頂脇の石柱(鈴鹿国定公園の刻字)の横か左の木立に入って急降下する。薄い踏み跡はすぐに平坦で明瞭な尾根道となり、笹や雑木の茂るヤセた稜線をアップダウンするうちに、木立の間から今降りてきた溝干山の双耳峰や唐木岳周辺が見えてくる。やがて尾根を左折して急降下し、地肌の露出した鞍部に出るが、尾根をそのまま直進し易いのでテーブ目印に注意する(直進するとすぐに踏み跡も目印も消えるので戻る)鞍部の周辺は、陶器の釉薬に用いた長石の採掘跡らしいが、脆い砂礫のザレ地なので、違う様にして岩壁に囲まれた窪地に登り、その先から尾根に出る。尾根道を少し戻ると、松の木立と岩塊を積上げた長石山の山頂に着く。すぐ傍には南東方向に展望の開けた場所もある。
長石山から尾根伝いで西の紅皿山に向う。笹と潅木の踏み跡からすぐに岩とガレの入組んだ尾根に出るが、岩尾根には左右に巻道が付いているので、テープ目印に注意して安全な巻道を歩き、大きな岩峰の右下から、支尾根に乗った所を左折して尾根に戻った所が紅皿山の山頂部である。固定ローブで岩の間から上に出ると、四周に南鈴鹿の展望が拡がっている。
紅皿山から西へ固定ロープや木の根を掴んで急降下すると、すぐに歩き易い尾根道になる。その後寺山峠迄ほぼ一本道で解り易いが、途中に支尾根が幾度も出てくるので、総て左をとって西へ向ううちに尾根の突端に出る。右へ回り込んで植林の中に降った所が寺山峠の林道で、駐車地のすぐ脇に出る。尚地図に示した様に、採掘跡脇の林道から、長石山すぐ下の鞍部(ザレ地)へ直登するサブルートがある。危険な感じもするが木立との境に歩き易い窪地があって楽に登れる。坂下峠経由と比較するとかなりの時間短縮になる。