南鈴鹿の静かな尾根縦走

51 長峰 500m(関町)

高畑山の展望コース


坂下の集落より)

歩行時間  4:00  
総時間  5:30  
山行調査日 10/12/26
難易 B  安全  A  体力  A  展望  C
地形図  鈴鹿峠
問合先  関町役場
留意点  林道歩きが長い。坂下峠近くへ置車出来れば時
      間短縮になる。
鈴鹿山地も関町を抜ける国道1号線の南に出ると、高畑山や那須ヶ原山など県境稜線上の山を除けば、歩く人は減り名の知れた山も急に少なくなる。しかし高度はないが密度の濃い山並みは依然として続いていて、紹介する長峰もその様な山域の中にある。鈴鹿峠から県境稜線を高畑山から溝千山へ辿ると、南に鈴鹿川の落込みを挟んで、平行して長い尾根が走っている。小さな起伏を繰返しながら、黒々とした植林帯や、所々に展望の良さそうな草原を見せている尾根の東端で、小さく盛上がったピークが長峰で、西へ延びた尾根が、唐木岳近くの県境稜線迄続いている様子が伺えるが、この尾根を縦走して周回するコースがある。周回と言っても半分は西の坂下峠から、舗装され林道を登山口の坂下へ戻るので、車を両方に置いて送迎する事も出来るし、林道を歩いても1時間と少々なので、さほど困難な距離でもない。
国道1号線が鈴鹿峠に近づき、上下線が分離する所から坂下の旧道に入り、少し西へ走って1号線と平行する所の、脇の駐車場に車を置いて歩き始める(滋賀県方向から来た時は、トンネルを抜けて最初の国道駐車場に置いても良い)少し西のガードレールの切開きから、国道を横切って極楽橋を渡り、墓地の左から踏み跡を辿って再び国道に出た後、第5坂下橋の掛る脇から山道へ入る。植林の中に入ると、すぐに両側が深い谷のはっきりした支尾根道になる。急登を続けて高度を稼ぐうちに平坦な尾根の稜線に出て、左折してカヤトの茂る道を一歩きで長峰の山頂に着く。
植林や雑木で展望の塞がれた山頂から来た道を戻り、分岐から左をとって縦走路に入る。ここから県境稜線に出るまで、総て尾根芯を通るので道は解り易いが、三か所程尾根が拡がって踏み跡が不明瞭になる所は、何れも右に寄ると踏み跡に出る。緩いアップダウンを幾度となく繰り返すが、行程の中程迄は、南側に良く手入れされた『諸林業』の植林が続き、北側は細い雑木に混じって伐採後に植林された桧の若木が目立つ。尾根の中程を過ぎると、南の植林がきれて山腹の斜面は二次林に変り、尾根道もヤセたり広くなったり、笹の藪漕ぎになったりと変化するが、北側に高畑山の稜線が大きく開けてくる。高畑山を真北に見る位置のピークは、この尾根で最も高度があって『一里山』の札が掛けてある。県境稜線に近づいて来ると、ガレ場やキレットが現われ、岩の間を乗越して進むと周囲は笹原が拡がって鈴鹿らしい雰囲気となり、北東の展望が雄大になって来る。荒れた踏み跡を急登急降下するうちに、平坦な雑木に入って県境稜線の分岐に出る。右折して岩場の脇を通り、潅木帯を急降下するとすぐに、林道の通る坂下峠に着く。
坂下峠に出て開放された気分になって一息入れた後、右折して国道1号に向う。車の通行出来ない荒れた地道は、すぐに舗装された広い道に変り高畑山の山裾と谷(鈴鹿川)の中腹に切通した林道を、幾度も蛇行しながら降っていく。途中に残っていた地道も、新しく舗装されて国道迄続いている。林道を出て国道連絡道を上り線迄歩き、国道を横切って右折し、隣接する広い旧道から駐車場に戻る。道沿いには片山神社参道口や岩屋観音等の見所もある(国道駐車場に戻る場合は、上り線から旧道に出て左折5分足らずで着く)