岩壁を巡り南鈴鹿の展望を楽しむ 45 鬼ヶ牙 488m(亀山市) 快適な尾根道と手強い谷沿い道 |
岩峰の鬼ヶ牙
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歩行時間 2:20
総時間 3:40 山行調査日 12/2/25 難易 B 安全 D 体力 A 展望 A 地形図 伊船 問合先 亀山市役所 留意点 展望は極ヒ。但し三つ淵の帰路は難路。往路の往 復なら安全度A。 |
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亀山市の北部を流れる安楽川を上流に向い、池山の集落を過ぎて鈴鹿山脈が広々と見え始めると正面の右手に巨岩を林立させた『鬼ヶ牙』が見えてくる。鬼ヶ牙と言う名前自体が、鋭い岩峰の雰囲気を持っているだけに、低山と言えども安易に登れる山ではないが、往路で紹介するルートは、踏み跡のしっかりした尾根筋で、途中で通過する幾つかのピークでは、南鈴鹿の雄大な展望が楽しめる出色のコースである。但し帰路にとった三つ淵へ降る道は、古くから拓かれていた基本ルートと思われるが、崩壊して危険な箇所が多いので、山慣れない人だけや大勢で歩く時は、往路の尾根道だけを往復した方が無難である。
国道306号から『石水渓』の標識を見て西に折れ、安楽橋を渡って山手に向う。池山の集落に入ると、以前は石水渓口バス停から狭い集落を抜けたが、現在はバイパス道が出来て、広い舗装路のまま石水渓キャンプ場迄入れる。その先から植下の狭い林道になるが、すぐに東海自然歩道と船石林道との分岐に出るので、傍の広い路肩に車を置いて歩き始める。直進して船石林道を歩き、道が左折して橋を渡る手前で、右手の雑木林の山道へ入る。始めは踏み跡が薄くて少し解りにくいが、左右の谷に降らない様に高所へ向うと、テープの目印も現われ、すぐに解り易い尾根の踏み跡に出る。所々で左右に巻道もあるが、尾根に沿って急登しながら幾つかのピークを越えると、周囲の展望も次第に開けてくる。尾根の周辺は細い二次林に松が混じり、花崗岩が風化して砂ザレになった路面が多いので、滑り易い足元に注意して登り詰めていく。北上しながら四つ目の砂ザレのビークに立つと、四周に大展望が開く景観がある。ビークのすぐ下を良い巻道が通っていて、知らずに素通りし易いので、このコース最大の展望台を忘れずに立寄りたい。展望台から先へ歩くと、すぐに尾根を離れて右手の山腹へ急降下する分岐に出る。テープと太い倒木を目印にして、分岐を見落とさない様に東へ回り込み、再び尾根に乗ると急に歩きにくい岩尾根になる。固定ロープで岩峰のピークを乗り越えた後、キレット(崖)脇から急登して鬼ヶ牙(北峰)に着く(この周辺には似た様なピークが三つあるので、仮に北峰・南峰・東峰としたが、北峰が最高点で、南峰は展望が良く、東峰は西方からは歩けそうにない)松や雑木で展望の優れない北峰から、南へ尾根を降って登り返すとすぐに南峰に着く。こちらは樹木の少ない岩峰で、野登山方向の展望が良く、今降ってき北峰が、巨大な岩壁を樹木が疎らに取り囲んで南画風の景観を見せている。 帰路は南へ延びている尾根道から、三つ淵に降るルートをとる。古くからの道らしく、テープの目印が多く踏み跡も明瞭で迷うことはないが、砂磔質で滑り易いので足元に注意して歩く。尾根を降りきると小さな沢と出合い、沢を渡って山腹に沿ったジグザグ道になるが、岩壁の縁をへつったり、固定ロープで崖を登ったり降ったり、深い谷沿いを木の根を探しながら横切ったりで『高所恐怖症』の人向きではない。緊張しながら降りきって『三つ淵』の登山口に出た後は、車道を歩いて駐車地迄僅かである。尚コース全体としては短時間で歩けるので、鬼ヶ牙だけで物足りない人は、すぐ脇に登山口のある臼杵山を歩いても良い。 |
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