[1]葺谷~箇所谷(周回)

43 御所平850m(亀山市)

南鈴鹿の鹿の楽園を歩く

鹿の楽園御所平
歩行時間  6:10   
総時間  8:00  
山行調査日 10/12/2
難易 D  安全  D  体力  D  展望  A
地形図  伊船
問合先  亀山市役所
留意点  葺谷は崩壊箇所多く悪路で長丁場、稜線上の快
      適さと落差が大きい。
鈴鹿山地を縦断する県境稜線は、鎌ヶ岳から南に下って、仙ヶ岳を過ぎると『南鈴鹿』と呼ばれる山域となる。その仙ヶ岳から南隣を見ると、頂上付近に草原が拡がって、いかにも展望の良さそうな山が見える。緩やかなドーム状の稜線に、三つの峰をほぼ等間隔に配した『御所平』である。遠望しただけでも登行欲の湧く山であるが、仙ヶ岳から更に奥まった位置なので、何れのルートをとっても長丁場になる。同じ長丁場なら起伏の激しい県境縦走路よりも、谷筋を直登した方が歩き易いだろう、という理由で基本コースの『茸谷から御所谷周回』を歩いてみたが、特に茸谷道は朽ちかけた丸太橋や、源頭付近の踏み跡が薄く油断ならない。歩くなら少人数で、山慣れた人と同行したいコースである。
国道306号から石水渓に向い、石水渓バス停から1キロ程走った右手に『ひだり京』の石碑と大きな『観光案内板』の立つ分岐を右折し、すぐまた二股道を左にとり、農道から林道へ入った後途中の堰堤横の空地に車を置いて歩き始める。尚も30分歩いて、ようやく林道終点の広場に着くが、左を流れる石谷川の上に、鬼ヶ牙から続く岩峰が、迫力ある景観を見せて林道歩きを飽きさせない。広場から左折して掛谷道に入り、白谷を渡渉すると、すぐに傾斜のきつい山腹道となる。途中の支流やガレ場に渡した丸太の橋は、半分ちかけているので入念に渡る。やがて沢に出て幾度か渡渉を繰り返し、滝に出ると巻道をとって谷沿いに遡行していく。谷に入るとすぐに『買取人以外はサカキ・シキミの伐採を禁ず』の標札が幾度も出てきて、道脇にはサカキの群生が青々と続いている。大きな堰堤を左から乗越すと、源頭が近づいたのか、水量が減って踏み跡も消える。沢の中を歩き2つ目の堰堤から先は、ゴーロ状の沢が分岐してルートが難しくなるが、右のゴーロをとって上に回り込むと、小さな尾根に出る。左折してヤセ尾根を木の枝を掴んで急登し、登りきると県境稜線の草原に出る。左には大きなガレ場があり、その上を稜線が安楽峠に向っている。
緊張感から開放されて、大休憩の後右折して植林の中を緩く登ると、程なく笹が茂り始め御所平の南端に登り詰める。少し左のピークへ行くと、四周に大展望が拡がっている。わけても西側に大きく迫る能登ヶ峰やサクラグチの山並は、他の山では見ることが出来ない。県境稜線を北に向い、笹の草原をアップダウンする。左手は急崖に細い雑木が密生し、右側は仙ヶ岳の展望が歩く毎に近づいてくる。踏み跡には鹿の糞が溢れて『鹿の楽園』を思わせるが、最高点を過ぎると鹿除けのフェンスが現われ、背の高いカヤトで展望も踏み跡も消えがちになる。北端から右折して尾根道を降りると御所谷分岐に出る。仙ヶ岳に向う県境稜線と別れて右折して御所谷へ降ると、すぐに沢沿いの道となり、踏み跡を注意しながら、沢中や沢沿い道を歩くうちに、沢が深くなって岩壁やナメ滝の先で御所滝に出る。滝の前から右を巻いて降ると程なく白谷との分岐に着き、道が急にしっかりしてくる。鎖場を過ぎて営林署の廃屋が現われると一歩きで、往路で別れた林道終点の広場に着き、広場から林道を歩いて駐車地に戻る。尚このコースは所要時間が長いので、陽の短い季節は途中で暗くならぬ様に計画したい。